【一日一作プロジェクト】「愛芽(あいめ)」を作った。マラガは今、セマナサンタ(聖週間)の真っ最中。セントロへパレードを見に行くのもいいけれど、今年は
「家にこもって制作&テラスで日光浴」
友達と個人的にランチできれば十分なので、セントロは完全スルー。50歳を過ぎ、憑き物が落ちたように「外の行事」に興味がなくなり
「自分のペース、呼吸で生活する以上に幸せなことってある?」
モードに突入。時計も見ずに、ゆったり一日を過ごせるなんて、最高の贅沢じゃない?
さて。テーブルではコラージュや紙作品を制作。イーゼルはフル回転で、キャンバス5枚を同時ペイント中。描いては外し、とっかえひっかえ。家庭菜園動画をBGMに描いていたら
「カーメン君のガーデンチャンネル」
なるものに、たどりついた。気さくで温もりのあるカーメン君の口調に引き込まれ、1本、2本、3本・・・連続再生していると
「豊橋市の園芸店『ガーデンガーデン』で店長をやっていました」
ええっ。豊橋市!まさか地元。よくよく見れば、動画の撮影が行われているのは、あの「ガーデンガーデン」の店内ではないか。いや、こんなことが。
「今日は市内の○○さんのお庭を訪問します」
カーメン君によって紹介されるのは、豊橋市内で庭作りに励むおじさまやおばさまたち。懐かしい三河弁に、思わず頬が緩んでしまう。
「この豊橋で、バナナの樹を一緒に育てましょう!」
おじさまは、庭先でバナナの樹を何十本と育てていた。こんなことができるんだ〜。パイナップルもいちじくも豊作。聞けば、全くの素人で数年前から始めたと言う。すばらしい。
「豊橋って、すごいじゃん」
なんか感動。はるか30年以上前、両親がこの土地に家を建てると決めた時、若い私は
「なんでこんな田舎に!近くにお店が一軒もない。周りは全部、畑じゃん」
と嘆いていた。が、今はまるで反対のことを思っている。よくぞこの農業地帯に、家を建ててくれた(笑)。1番近いスーパーに行くのにも
「キャベツやブロッコリー畑の間を延々と」
なんてすばらしい。カーメン君の動画を見ながら、豊橋のパワーを改めて感じた。実は「ガーデンガーデン」へ初めて行ったのは、まだ7、8年前のこと。一緒に日本帰国していたベラが
「豊橋の実家にアロエを植えたい!」「薬草だから役に立つ。育ててほしい」
と言い出して一歩も引かず、両親も「これは買わないと終わらない」と悟り、ベラを連れて「ガーデンガーデン」へ乗り込んだのだ。なんとか小さな鉢植えのアロエ・ベラをゲット。
「ベラちゃんだと思って大切にしとるでね〜」
私たちがスペインへ帰った後も、母はたっぷりと愛情を注ぎ、アロエもまた家族みんなに愛されているとわかったのか、すくすくと育った。その母も亡くなり、今では父が「巨大化したアロエ」の世話を引き継いでいる。
「愛芽(あいめ)」
ベラが、我が家に遺していったもの。それは「愛の芽」。今なお育ち続け、私たちを見守っている。次に日本帰国する時は「ガーデンガーデン」へ行ってみたいな。