【一日一作プロジェクト】「失って開く扉」を作った。朝からアーチェリー教室へ。
「青空の下、大地を踏みしめる」「緑の中で深呼吸」
なんてすばらしい〜。激しいスポーツではないので、リハビリにはもってこい。指導員の方々は60代から80代。弓をかまえる姿が、見惚れるくらい美しい。
「もっと二の腕に力を入れて、膝から引いて」
弓を引くのもなかなか力がいる。左手は前に、右手は後ろに。正反対の方向へ、引っ張り合う。胸を開き、しっかりと弓を止める。まるで静かな筋トレ。どうりでみなさん、姿勢がいいわけだ。
「顔をもっと正面に」「弓を離す時、勢いよく手を開かない」「左手で弓を握らない、前に押し出す感じで」「肘を上げて。下がってきてるよ」
ひとつ直せば、ひとつがだめ。なかなか全てに意識が回らない。それでも、つきっきりで指導してくださる。1時間半の完全プライベートレッスン。指導員のみなさま、立ちっぱなしでありがとうございます。
「ファームはいいね」「どうして右側に飛んでいくのかな?」「顔の向きをもっと左に」「うーん、3本とも右側だねぇ」「弓を離す手を首に近づけてみて」
先生たちが、私の射的を見ながらひとつひとつ修正してくださる。まさに、探究の道。体のどこかの角度や動きで、数センチのズレが生じてしまう。いちおう的には当たるが、全くコントロールできていない。
「まずは自分のフォームを安定させねば」
テニスもそれがスタート地点だったっけ。そんなわけで、あれこれ試行錯誤しながら練習を重ねる。蚊に刺されつつも、集中して打ち続けていると、いきなりど真ん中の「+」マークに命中。
「なぜ?」
思わず、疑問の第一声(笑)。どうしたら、そうなるの?全くわからず。それでもまぁ、楽しければいいよね〜。青空の下、緑に囲まれて、先生方に楽しく教えてもらいながら、あっという間の1時間半。
「アーチェリー協会に入るのに何がいるんですか?」「入会費を払うだけです」「道具は買うんですよね?」「貸し出しますので何もいりませんよ」
やるっきゃないやろ〜。聞けば、的に当たるようになってくると、自然といい道具がほしくなり、みなさん自分好みに弓を整えているらしい。私はまだ初心者の10メートルコース。
「ももさんが50メートル打てるくらいまで、教えてあげますよ。道具も貸してあげます」
おお〜。ロビンフッドへの道は、ここにあるのでは?とりあえず、秋の体験コースを無事卒業しよう。易しいシニアコースもあるらしいし。
さて。帰り道。豊橋名物の「市電」に乗ろうとしたら、まさに今出るところ。まだ走れないので、目の前にあったのに間に合わず。15分は来ないので、時間つぶしに近くの神社へ。ふらふらと鳥居をくぐってびっくり。なんとそこは、
「豊橋で有名な『鬼祭』の行われる神明社」
だったのだ〜。ここにあったのかー。境内では赤鬼が参拝客を出迎えてくれる。七五三のお祝いをする人々で、なかなかのにぎわい。思いがけず赤鬼に出会え、不思議な気持ちに包まれた。
「市電を乗り過ごしたおかげで、鬼に会えた」
何かに出会うためには、最初に何かを失わなければならないのかも。失ったものに囚われず、新しい道に足を踏み出せば、思いがけない出会い、新しい世界が待っている。
「失って開く扉」
がある。人生は、喪失の連続。と、同時に、出会いの連続。そんなことを、赤鬼は教えてくれた。
晴天続きの三連休ですね。みなさま、すてきな祝日を。