【一日一作プロジェクト】「思い出花」を作った。久しぶりに、家の中に「花」のある生活を楽しんでいる。誕生日祝いに花束を頂いたのはいいが、断捨離で花瓶を全てお隣さんへあげてしまった。
「はて、何に花を入れようか」
とりあえず台所へ。花瓶になりそうなものを物色。花束は縦長なので、壺系の陶器を探す。
「これ・・・かなぁ」
20センチほどのガラス容器。実際は「水差し」だけど(笑)2つあるので、今日から1つは花瓶にしよう。「花を生ける」ことも考えたのだけど
「自由にのびのび、ありのままに」
咲いてもらうことに。剣山は持っているものの、なんとなく「刺す」のが痛々しくて。アトリエのテーブルに飾ったら、さっそくオウムも飛んで来た。
「なんという個性、バリエーション」
葉のつき方、花びらの広がり方、色、形もさまざまに。近くで眺めると、花の持つ個性に圧倒される。そういえば、母はよく「花」を生けていた。玄関を入ると
「季節の花が出迎えて」
くれた。お花、刺繍、ミシン、服作り、いろいろなことができた母。私とは正反対。中学生の時に家庭科の授業で「パジャマ」を作らねばならず、提出前日に半泣きで母に
「お母さ〜ん、パジャマ作って!」
とすがりついた。すでに夜の8時。「何を手伝えばいいの?どこまでできてるの?」と尋ねる母に、私は「3メートルの布」を黙って手渡した。
「ええっ、型紙を取るところから⁉︎何もやってないの⁉︎」
しばらく母は絶句していたが、はっと我にかえり「よし、みんなでやるよ!」と、ものすごい勢いでミシンをひっぱり出した。
「お父さん、型紙取って」「ももちゃん、ここ切って」
父まで駆り出され、畳の上にパジャマのパーツがぞろぞろと並ぶ。結局、家族3人一丸となってパジャマを作り上げた。
「できたーーーー!」「やったー!」
涙が出そうなくらいうれしかった。すでに夜中。もちろんこの後、しっかりと叱られたけど、全力を出し切った母は
「これで、何点もらえるのか。お母さん、楽しみ〜」
と、パジャマを抱きしめていた。「花」を見ると、母を思い出す。母が大切に育てていた庭の花たちは父に引き継がれ、今も季節を告げている。数は減ったけれど、その庭をこれから私が引き継ぎたいと、最近強く思う。
「思い出花(おもいでばな)」
縫い物はまるでダメだったけれど「自由創作」「自由型」は得意(笑)。着ないスカートやシャツ、余り布を使って。「思い出」という大輪の花。
天国の母へ。捧げものアート。パジャマのお礼に(笑)。あの時は、ど叱られたけど(←三河方言)あんな事がなければ
「母と一緒にパジャマを作ることもなかった」
今となっては、うれしい思い出。今日21日は、母の月命日。天国から、この花が見えるかな。