春遊異結

【一日一作プロジェクト】今日3/20は春分の日。コラージュアート「春遊異結(はるゆいむすび)」を作った。

「ちらし寿司みたい」

笑。おいしそう。春爛漫。野原に花が咲き乱れているイメージで。縦160cm×横100cm。この大きさになると、まさに花の絨毯。

「ぐぐぐ〜」

お腹を鳴らしながら制作完了。もしかしたらそのせいで?無意識に食べたいものを?ちらし寿司、最後に食べたのがいつなのかも思い出せない(涙)5年?8年?

「スペインはもうすぐセマナサンタ(聖週間)」

3月末から4月上旬にかけて1週間。クリスマスに並ぶ、大切な宗教的催し。キリスト像とマリア像を担いで回る大パレードは

「去年に引き続き、2年連続中止」

誰が想像したことか。実はこの聖週間、宗教的イベントばかりでなく、日本で言えばゴールデンウィークにあたるので

「帰省や旅行で大にぎわい」

もちろん「県をまたいでの移動禁止」条例が、緩和されればの話。たぶんスペイン中の人達が、その発表を見守った。

「移動規制、緩和か延長か」

結果から言うと、今週の発表で「延長」が決まった。連休とはいえ容赦ない。そんなわけで「県内生活」はまだまだ続く。

「去年よりはまし」

その言葉を、私たちは再びくり返す。昨年の今頃、まさにスペイン全土で、完全ロックダウンが発令された。

外出は食料品などの買い物だけ。通りに人影はなく、車も全く通らず、町中がしーんと静まり返っていた。連日500人という感染者が亡くなり続ける中

「鳥の声だけが、春の日差しの中で響き渡っていた」

あの異常事態の感覚が、春の日差しでよみがえる。「午後8時に毎日テラスへ出る」ことが

「隣人の生存確認」であり「人の姿を見る唯一の機会」

でもあった。なんとしても生き延びなければ!という、あの命に刻まれた記憶が、なんということか。春爛漫の今、歓びを届けるはずの

「春の日差しと鳥の声」

で、よみがえるのだ。昨年の春、スペインには死が蔓延していた。目には見えないが、玄関のドアのすぐ向こうに、死の気配があった。

だからこそ、大切にしよう。今手にしているものを。ロックダウンから1年。昨年、窓から見るだけだった奪われた「春」を、今の私たちは持っている。

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