3500ユーロのバッグ

先日、友人が置いていった
「女性ファッション誌」を見ながら
ベラが言った。

「このバッグ、3500ユーロもするの?」
「どれどれ・・・」
それは、有名なブランドの
わずか15センチ角の
小さなショルダーバッグだった。

「こんなに小さくて?
3500ユーロもするの?」
口調は穏やかだが
息を飲んでいるのがわかった。

「サイズには関係ないんだって」
「こんなに小さくちゃ、何も入らないよ」
「だから、入れようと思ってないんだって」

しばらく考えていたが
「あっ・・・」
と、わかったようにつぶやき
「何が入ってるんだろう、中に」
「はっ?」
「3500ユーロもするんだよ。
きっと中に何か入ってるんだよね」
「・・・・・」

福袋では、ない。
そう言ってやろうと思ったが
ひとり静かに納得し
幸せそうだったので
そっとしておくことにした。

「ブランド品だから、高い」
という概念は
ベラには存在しないのだろう。

大きいから
役立つから
頑丈だから
便利だから、高い。

世の中、こういう人ばかりだと
ブランド品は売れないだろうな。

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「3500ユーロのバッグ」への2件のフィードバック

  1. 高級品には作り手の「豊かな夢」や「輝く希望」や「ゆるぎなき誇り」が詰まってるんだな。それを「細やかなこだわり」で作られた美しいカーブやきちんとした直線が外側からつつみこんでるんだな。

    っと私は思う。

  2. なるほど~。
    「豊かな夢」や「輝く希望」、いいですねぇ。

    スペインやイタリアでは「高級バッグ」は持ってると
    ひったくりに会う確率が高いので
    革製品は有名なわりには
    日本ほど持ち歩かれてないかも。と今思いました。

    銀行に行ってお金をおろすと言ったら
    「スーパーのビニル袋を持って行け!」
    と、マラガっ子の友人のお母さんに言われました。
    さらに、できればそこに
    「パンでも突っ込んでおきなさい、パンの端が見えるように!」

    こんなマラガ(ひったくりが多いのはスペインの町全般)では
    どうも高級品を持つ機会が
    日本ほどないような気がします。

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