【一日一作プロジェクト】ヘッドアート「めらふわ」を作った。セントロの画材屋さんへ行ったら
「営業時間になっても、お店が開かない」
お店の人が来ない。「何かあったのでは?」と、シャッターの閉まった店の前で、客たちはざわざわ。5分、10分、15分・・・ついに20分を過ぎたその時
「すみませーん!!!今、開けます」
お店のお姉さんが、自転車で走り込んで来た。見れば、その自転車の上には「板」が積み上げられている。重そうや〜。とりあえずお店を開けてもらい、絵の具を購入。お会計の時にさらりと
「何なの、あの板?」
お姉さんとは知り合いなので、そっと笑顔で尋ねる。すると、急に声を落とし
「実はうちを自力リフォーム中で。あんな理想的な板はめったにないから、必死でゴミ捨て場から運んで来たんです」
気持ちは、わかる(笑)。日本では絶対に許されない遅刻理由だろうけど。そして。そこまでして運び込まれた板たちは、見惚れるほど美しかった。お姉さんは、そっとため息をつきながら
「途中で警察に止められて、罰金になったらどうしようって、もう心配で」
遅刻に罰金か〜(笑)えらいこっちゃ。ふらふら移動してたら、呼び止められてもおかしくない。仕事を終えたお姉さんが、無事家までたどり着けたことを祈って。スペインでは
「仕事場に、個人を持ち込む」
瞬間が、時々ある。一度、バスの運転手さんの家族が停留所で乗り込んで来て「小学生の息子がお父さんに挨拶のキスをして」また降りて行った。
「それでバスが1分遅れようが、誰も何も言わない」
ってか、気にもしていない。運転手さん自身も実に堂々としたもの。お互いさま。明日は我が身。自分にも、他人にも甘いスペイン。日本の正確さや責任感、プロ意識も好きだけれど、このラテン特有の
「従業員である前に、運転手である前に、私は1人の人間」
という絶対感。は、私にたくさんのことを教えてくれた。スペイン人は、簡単には自分を譲らない。まずは「自分を貫こう」とする。なぜならそこに
「大切な何か」
があるからだ。たとえ周りから見て「ええっ⁉︎」「なんで?」「そんなんあり?」でも(笑)。スペイン人は、信じられないほどまっすぐ「自分にとって大切もの」に向かう。そして
「いかにそれが自分にとって大切か」
を、全身で伝えようとする。正直、この国に「効率」という文字はない(笑)。でも
「思い入れのある人生」
に、スペイン人は深い価値を見出しているのだ。自分にとっての幸せを実践することに。周りに合わせて、自分をゆずってばかりいると
「自分不在の人生」
になってしまう。一見、平和。荒波も立たず、うまくいっているように見える。でも。長い目で見たら、デコボコでも自分らしい人生に勝るものなし。
「めらふわ」
ヘッドアート。私たちはみんな、自分の波動を持っている。「めらめら」と燃え上がる情熱。「ふわふわ」と舞い上がる遊び心。冠オーラ。後光のイメージで。
いくつも作って、みなさんとアートで遊んでみたい〜。思い入れを大切に、どうぞすてきな1日を。