【一日一作プロジェクト】ペイントして「夜涙(よなみだ)ピアノ」を作った。隣町に住む先輩Cさんが、突然差し入れをしてくださった。
「はい、どうぞ。手作りなんだけど〜」
手渡された紙袋の中には、なんと。お正月ムードあふれる「伊達巻」「餅」「きんぴらごぼう」などが顔をのぞかせている。おぉお〜。
「こっちは、マンテカード(スペインの年末年始に食べるお菓子)」
聞けば、こちらも手作り。うれしい〜。ちょうど外出先から戻ったばかりでお腹ぺこぺこ。そのうえランチの用意は何もしていない。
「お、お、おいしそう〜!ありがとうございます。さっそくいただきます」
C先輩と肩を並べる旦那様のPさん。いつも仲良しでお幸せそう。お二人ともお元気そうでよかった。なんだかほっとする。
「お餅、うれしいなぁ」「お醤油は持ってるわよね?」「いや、ないです。ちょうど切れてて」
「海苔は?」「海苔もないですねぇ」「醤油も海苔もないの⁉︎」「あ、でも、だしの素ときな粉はあります」
呆然とした表情で、C先輩がぽつり。
「こんなことなら、醤油と海苔も持ってくればよかった」「大丈夫です。何とかなります。これからさっそくいただきますね」
家に帰り、いただき物を広げると「大根とニンジンの酢の物」が出てきた。甘酢であえたこの料理。酢の物じゃなくて、えーと。
「確か名前があったはず」
全く浮かんでこないので、インターネットで調べてみると・・・
「紅白なます」
答えを聞いてもピンと来ない。「そういう名前だっけ?」初めて聞くような名前だけど。ってか「なます」って何?生き物みたい。あ、生酢?
それでも「確か呼び名があったはず」ってことに気づけたのだから、いいことにしよう。お隣さんから醤油を分けてもらい、だしの素で「お雑煮」を作ることに。
冷蔵庫を物色すると、ほうれん草とニンジンとカニカマが出てきた。ふだんなら、ニンジンなど何も考えずに切っているのだけど
「お雑煮となると、飾り付けが必要だ」
実家では毎年正月はお雑煮で、色形よくお椀の中が彩られていた。うーん。ほうれん草、ニンジン、カニカマの中で、細工ができるのは・・・
「ニンジンだ」
花っぽくカット。こんなこと、スペインへ渡ってからしたことないけど(笑)。なんとか即席雑煮が完成。おかずを盛り合わせてテーブルへ運ぶ。
「おお〜っ、お正月感が!」
うれしい〜。これでやっと、一足遅いお正月が我が家にも訪れた。C先輩、ありがとうございます。新年のお祝いに、オウムも勢いよく飛んでくる。見たこともない料理に興奮気味。
「ふゅーいっ、ぐわっ」
なぜかお餅に突進するオウム。それ、白いけど生クリームじゃないよ(←大好物)笑。
「伊達巻のふわふわ感、ごぼうのシャキシャキ感、なますのすっきり感、お餅のもちもち感」
なんという食感天国。残り物の豚の角煮もひっぱり出して、ワインで乾杯。そして、デザートは手作りマンテカード。
「ひゅーーーーっ、ぷぷ」
お菓子の箱に頭を突っ込み、夢中で食べ始めるオウム(写真)。思いがけず、大盛り上がりのおうち新年会。2人ともエネルギーチャージ!
C先輩、わざわざ隣町からマラガの片隅まで足を運んで頂き、ありがとうございました。おいしい手料理に、元気をいただきました。この力をアートに変えて、今年も「一日一作」挑戦し続けます。