【一日一作プロジェクト】楽描きアート「ふらぶらぷらり」を作った。「日本上陸記・12」。電源を入れてもテレビが映らないのでフロントへ電話。立場上、隔離収容者(ホテルの客ではない)ので、だめかなぁと思っていたら
「わかりました。すぐに伺います」
えっ。来てくれるの?呆然としていたら、本当に1分でドアがノックされる。えっ、ええっ?開けていいの?
「おはようございます」
よろよろとドアを開けると、制服姿のお兄さんが笑顔で立っていた。
「おぉお〜人間だ!」
強制隔離・洗脳センターに収容されているので、人間的な反応ができなくなっている。
「テレビが映らないんですよね。時々あるんですけど。中に入ってもいいですか?」
えっ?ええっ?私はいいけど。「コンタクトを取ってはいけない」と散々叩き込まれているので
「自分の部屋に人がいる」
ことに、かすかな感動を覚える。洗脳は確実に進んでいる。お兄さんはテキパキと部屋の電源を切り、設定し直し
「はいどうぞ、これでテレビが見られます」「あぁあ、ありがとう〜!助かりました」
笑顔で話をするって、なんてすばらしい。気持ちよくコミュニケーションすると人間は
「呼吸が正常になり、心も体も一気に循環」
し始めるのだ。これもテレビが不調になったおかげ。そして思いやりのあるお兄さんのおかげ。一瞬、人間に戻った。気がする。
「今日はテレビを見ながらストレッチだ」
会話や音楽に合わせて体を動かす。鼻歌も唄いながら。動けばお腹もすく。伸びたり縮んだり、ひねったり飛び跳ねたり。すると
「昼食のお弁当をドアノブにかけて回ります」
今や館内放送が時計がわり。この後「ドアを開けてお取りください」まで、50分近くかかるので(←慣れた)気にせずストレッチを続行。
「姿は見えないけど、さっきのお兄さん達が届けてくれてるのかも」
そう思うと、心がふわっと温かくなる。それに、毎日キッチンに立つ身としては「料理を作らなくていい」「3食届けてもらえる」これは贅沢なことだ。後はこのお弁当に、生野菜とフルーツがつけばなぁ。
「隔離生活はどう?」
ベッドに転がってテレビを見ていると、ハビ吉からメッセージが。さっそく食事の写真をシリーズで送りつける。
「おお〜日本食だ。おいしそうー。隔離生活で太りそうだね。運動しないと」
その言葉に、はっとする。そうだ。「踊ればいいんだ!」私の大好きなフラメンコ。セビジャーナスを。さっそくテーブルを移動し、スペースを作る。ついでにスマホもスタンバイ。
「動画を撮って、ハビ吉に送ってやろう」
セビジャーナスを、自ら歌いながら踊る(笑)。不思議なもので、踊っていると背筋がぴしっと伸び、だんだんその気になってくる(写真)。一曲踊り切ると、じんわり汗ばむほど。
「完全隔離・強制収容所でセビジャーナス!」
いつでもどこでも。誰とでも1人でも。自分らしさを大切に。自分のささやかな幸せと一緒にいよう。遊び心が、ゆとりや平常心を取り戻してくれる。
「ふらぶらぷらり」
ふらふら散歩を楽しむように「フレキシブル」に生きていこう。のんびり散歩をしている時、私たちは
「思いがけないこと、ハプニングを楽しむゆとり」
に包まれている。まだまだ実家の豊橋(愛知県)は遥か彼方だけど、今持っているものを100%楽しもう〜。
施設の写真はNG。とはいえ、これは「ダンス写真」だよね(笑)。明日はいよいよ収容所最終日。PCR検査で陰性を出せば、ここから出られる。頼むぞ!(明日に続く)