チベットの秘薬

少し前のことになるが、
日本帰国してから、ずっと体調をくずしていたわたしのために、
ベラが「薬」を作ってくれた。
もちろん、手作り。
「これは、効くよ!すぐによくなるからね」
その気持ちはありがたいが、病院に行った方がいいんじゃないかなぁ。
ずっと、せきとタンが続いているし。

そうは思ったが、せっかく台所で
「よしっ」「ふんふん」「「さーてと」「うむっ」などいいながら一生懸命作っているので
ほかっておくことにした。
わたしたちは日常、たぶんふつうの人なら「何か言う」ところで
たいてい「ほったらかし」にしておく。
それが、いつからかわたしたちの共同生活のルールになっていた。
「やりたければ、やれば」である。

その「金色の液体」は、500mlくらいあり、ガラスのビンに入っていた。
「おお~っ、輝いてる~!」
光に透けて、美しく黄金色に輝く不思議な液体。
「きれ~い・・・」
確かに、これならなんだか、効きそうだ。
「なに、これ。材料は?」
質問には答えず、ベラはまじめな顔で
「患者は、黙って飲むものだよ」
と、そっと「1回分」がコップに注がれた。
まぁ、これで確認もせず、飲んでしまうわたしにも問題はあるが
これも、ベラを信じているから、である。

「うぎゃぁ~っ!」
飲み込んでしまったので、もう取り返しはつかない。が
「なに、これっ!すごい味、っていうか匂い」
「ふふふ・・・」
ベラは不気味な笑いを浮かべると
「これはね、チベットに伝わる秘薬なんだよ!」
「チベットの秘薬・・・」
その名前、ふれこみだけで、効きそうである。
が、この味はいったい何なんだ?

聞けば、チベットに伝わるこの「何にでも効く秘薬」は、
正確には、材料は「にんにく500グラムと、70度以上のアルコール」らしい。
「アルコールは値段の手頃なテキーラにしたけど、にんにくをむくのが大変で・・・」
って、ちょっと、今わたしが飲んだの、テキーラとにんにくなのっ!
「ああ~っ、きつすぎる、ううー・・・・」

「チベットの秘薬」は、味も匂いもすごかったが、
何より飲んだ瞬間、体が「ぼっ」と燃える、即効性が絶大である。
「どう?」
「燃えてる・・・・」

なんとか、2週間の集中治療ののち、体調はよくなったが
果たして、この秘薬のせいなのか、それとも体が驚いて
「早く治らないと、とんでもないことになる!」
と、自ら治癒力をアップさせたためかは、わからない。

現在、次の秘薬を「セロリ」で作ることに、取り組んでいる。

CIMG5559

CIMG5920
ベラ、セロリの束を抱えて
幸せそう。
どんな秘薬ができるのやら。

「チベットの秘薬」は最初
透明の金色だったのが
少しずつ白く濁って
最後はこうなりました。

自然療法なので
体にあわない場合もあります。
みなさんはまねを
しないようにしてくださいね。

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「チベットの秘薬」への2件のフィードバック

  1. スペインは今年ははっきりと「異常気象」で
    昨日、おとついとマドリッド県やカタルーニャ県で
    なんと!「雪」が降りました。
    それも、しっかり積もっていて「冬景色」。
    スキー場など、すばらしい滑走状態。

    「5月20日まではコートを離すな!」と
    スペインでは言われていますが
    に、してもマラガまで寒気が襲って
    ここ数日、最高18度、最低11度。
    寒すぎる!レストランで弾いていて凍えそうでした。
    日本はだいじょうぶですか?

  2. 「6月10日」です、すみません。
    スペインのことわざでは
    「5月40日までは、コートを離すな」と、言います。

    マラガは今日も寒くて
    ピアノ教室のとき、窓を閉めたほどです。
    いったい太陽は、どうなってしまったのだ~。

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