【一日一作プロジェクト】歌や音楽、笑いや希望、夢が闇に舞う。どんな漆黒の闇でも、鮮明にその命を輝かせる「夢玉の舞」。今日は友人から驚きのメッセージが。
「ついに会社の中で、コロナウィルス感染者が出ました」
えええーーーっ。しばし呆然。まさか友人のオフィスで。その方、体調が悪く検査をしたら陽性だったらしい。
「で、あなたはまだ働き続けてるの?同じオフィスで」「ええ、働くのが怖いです」
そりゃそうでしょうとも。「数日間、休めないの?」と、勧めてみる。プラスチックやメタルには3日間、ウィルスが残っていると言うではないか。
「無事を祈っていて。これからまた仕事なの」
なんというか、もう命がけになってきた。仕事でオフィスに行くのも。けして大げさではない。コロナウィルスはまだその性質がよく解明されておらず、専門家の間でも
「最強のウィルス」
と呼ばれているのだ。その感染力、細胞の破壊力、進行のスピード、死亡率など。変異をくりかえし、いろいろなタイプがあるらしい。アトリエで作業をしていると
「ババババーーーッ」
と、勢いよくヘリコプターが飛んで行った。それも4回。その機体には「ポリシア(警察)」と大きく書かれている。それさえも、日常の風景になった。
スペインのコロナウィルス感染者は約183000人に。一日で551人の方々が亡くなった。どんなに苦まれたことだろう。
ベラが亡くなる前、体の痛みにモルヒネを投与していた。モルヒネはすばらしい薬だ。あの激痛を和らげてくれるのだ。
入院はせず、最後まで私と生活することを選んだ彼のために、先生が定期的にマンションを訪れてくれた。その時、隣にいた先生がそっと私に告げた。
「痛みは和らげる。でも、呼吸だけはどうしようもない」
そうなのか、とその時思った。呼吸が全ての要なのだ。「人工呼吸器」が足りない医療現場において最も恐ろしい決断は
「誰に人工呼吸器を使うのか」
だろう。その身も凍るような「命の選別」は毎日、スペインでも実際に行われてきた。もちろん医療従事者はそんなことはしたくない。全ての命を救いたいに決まっている。
が、実際に数が足りないのだ。人工呼吸器を患者全員には使えない。「誰を助けるのか」その場で決めなくてはならない。そんな状況に置かれた医療従事者達のストレスは計り知れない。
日本にも緊急事態宣言が出された。私の祖国。愛するニッポン。どうか感染が一日も早く収束し、医療システムが崩壊しませんように!ただただ祈ります。
心の闇を、世界の闇を照らしたい。歌や音楽、笑いや希望、夢で。祈りを形に。「夢玉の舞」は作品じゃない、エールだ!