海へ行こう!

これを書いている今、午後七時半。そう、時差ボケ真っ最中。の、魔の刻。しかし、気分は爽快。頭もすっきり。そのわけは・・・

ずばり「海」。うちの前のビーチで今、泳いできました!今年の初泳ぎ~。いや、昨年もおととしも、実は泳いでいない。海にさえ、近づかなかった。だから実に「三年ぶりの海」になる。

日本では、三年くらい「何ともない」と思いますが、ここマラガでは
「海に一度も行かない」
というのは、ちょっと考えられない状態。なにしろ5月から10月まで泳ぐことができ、さらにマラガ中心地から歩いて10分でもう「海」。

バスに乗っても、見えるのは「海」。週末に家族友人で出かけるのも「海」。海岸通りに並ぶ魚介類レストランも「海」を眺めながら。

毎日の中に、「海」があるマラガの暮らし。私もこれまで毎年、少なくとも20~30回は当たり前に泳いできました。浜辺の散歩を入れたら、海とのつきあいは数えきれない。

そんな私が、去年とおととしと、浜辺にさえ近づかなかった。それはきっかりと、べラの病気とともに始まり、今日まで。あれだけ大好きだった海に、私は近づくことができなくなった。

べラと私は、毎週のように「海」へ出かけていた。泳ぎに、釣りに、ランチに、バーベキューに。真っ暗になるまで浜辺に寝転がって、星を眺めていたことも何度かある。その横ではべラが釣りをしていて・・・

その思い出にあふれた場所に、私は一人で戻るのが痛かった。のだと思う。たぶん、封印してしまったのだ。思い出もろとも。

そして、今日。
「海に行きたいな」
と、思った。突然。なんの前ぶれもなく。

浜辺に行く準備をしながら、ちょっとドキドキした。うちの前の海に行くだけなのに。歩いて一分の場所なのに。私には、とても大きな一歩に感じた。何かを乗り越える。突き破るのだ、とはっきり感じた。

浜辺に着いて、足を濡らす。冷たい。しばらく波打際を歩きながら
「なんでもない行為が、その人にとっては重大な意味を持つ」
不思議に気づき、夢中で歩いた。

「海に入ってみたい・・・」
それは、しばらくぶりに懐かしい誰かに会うような、忘れていたものを手に取るような、くすぐったい気持ちだった。そして、海は私をしっかりと受け入れ、抱きしめてくれた。

抱擁。
地中海のゆりかご。
私たちはなんという贈り物とともに、暮らしているのだろう。

それに気づくのに、三年という時間が必要だった。そして、海に背を向けて、悶々と一人で過ごす日々が。不思議だな。

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