6.半年分の文房具を購入

名古屋泊一日目。夕方から、文房具を入手するため栄の「世界堂」へ。買いたいものリストを握りしめ、じっくり一時間は居座る。なにしろペンもペンシルも、いちいち試し書きした後、じーっと考え込むので、売り場を占領する、静かだがとても迷惑な客。

「ふむふむ」「なるほど~」「おっ、これは!」「そうすると・・・」
などと、つぶやきながら、小首をかしげてしばし考える。これもすべて、マラガに大きな文房具屋がないため
「半年分の文房具を、今日一日で購入しなくてはならない」
ことに、ある。

ま、一回きりにしたのは私自身。インフルエンザにかかって一週間以上、寝ていたからなんですが。おまけに年末年始で多くのお店はお休み。年が明ければ、もうスペインに帰らねばならない。

「これ、注文するとどれくらいかかりますかね?」
気に入った画材があったので、尋ねてみる。が、今は在庫がないので
「お取り寄せになります」
と、お店のお姉さんは、申し訳なさそうに答えた。
「年末年始に入るので、一月九日頃かと・・・」
「あー、それじゃ間に合わないなぁ。わかりました」
大きく息を吐きながら、すっぱりあきらめると
「あの、ご自宅にご郵送することもできますけど」
「そうですか。でも、住んでるのスペインなんですけど」
「えええっ!」

「これで、また半年がんばって描きます!」
お会計を終えると、紙袋を手渡してくれながらお姉さんたちは
「スペインから買いに来てくださったんですねー」
と、笑顔を見せてくれた。が、まさか私の住むマラガが「文房具の飢餓状態」だとは、想像もしないだろう。そう、これはお買い物でなはく、真剣な「買い出し」なのだ。

本当は、せっかく栄にいるのだから、他のお店もいろいろ見て回りたかったが、文房具というのはまとめて買うと恐ろしく重い。まずは、ホテルへ。

今回はの宿泊先は、栄にある「ホテルエコノ」。三連泊割引にポイント割引がつき、三泊9900円。それも税込、朝食付き。豊橋の実家の父は
「だいじょうぶ?そんな安い所で、暖房あるの?」
と危ぶんでいたが、清潔で快適で大満足。おまけにホテルを出たところになんと!名古屋テレビ塔まで。

チェックインをすませながら、はたと「wifi無料」であったことを思い出した。これまで、iPodもアイフォーンも持っていなかった私は、wifiがあろうがなかろうが、どうでもいい世界に住んでいた。が、今はこれが一大事、なのである。
「wifi、ありますよね?」
そう尋ねたつもりだった。が、フロントのお姉さんは
「・・・ウィ?」
と、固まっている。フランス語で答えたのではない。日本ではwifiを「ワイファイ」と発音するのをすっかり忘れ、スペイン語名の「ウィフィ」で尋ねてしまったのだ。

ホテルのwifiを使うのは、生まれて初めてだった。ので、ちょっと緊張。でも、接続できたときは、なんだかとてもうれしかった。どうも、iPodとアイフォーンを使い始めたこの秋から、「生まれて初めて」のことが、毎週のように起こる。で、毎週、ドキドキさせられているのだが、この年になると
「毎日ドキドキしていたい♡」
なんて思わないので、一日も早く電子機器とお友達になり、心穏やかな日々を送りたい、と思う。

さて、iPodとアイフォーンを、コンセントに差し込み、ベッドにひっくり返る。これまで、マラガの太陽を浴びて「充電」していた私は、ここ数か月というもの、いつも「充電できる場所」を探している。この私より先に。この子たちをまず、充電させるために!

というわけで、あっというまに名古屋初日は終了。歩いて五分の所に栄の錦があるのだが、病み上がりのため近くのうどん屋へ。やはり「カレーうどん」あたりで、今日は終わりにしよう。

なにしろ明日は、「忘年会」が待っているのである。

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