バルセロナへの旅・2

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☆☆☆
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今日はバルセロナ散策。
マリは仕事、ルイスは
明日のバーベキューの
買い出しへ。
私は一人、バルセロナの
中心街をふらふら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆
もう5,6回、バルセロナに
来ているので
すっかり油断して
「地図」を持ってこなかった。
あっはっはー。

「今、自分はいったい
どこにいるんだろう」
って、久しぶりに
思いました(笑)
太陽を見上げても
建物が大きいからもう
方向はまったくわからず。

とりあえず道行く人たちに
「ゴチック地区」を尋ねて
歩き始める。
というのも
今日の私の目的は
「ピカソ美術館」!
楽しみ~。

途中で「カテドラル
(大聖堂)」に寄る。
天井の装飾を見て
歩いているうちに
「教会」をからめた
小説が書きたく
なってきた。

で、取材ついでに
「聖水」や「懺悔室」など
観光&デコレーションとは
全然関係ない写真を
撮ってました(笑)

ほら、なんか事件が
起こりそうな雰囲気でしょう。
薄暗くって、ろうそくの灯りのもと
第一の事件が・・・

さて、ミサを眺めながら
ひと休みした後は
いよいよ「ピカソ美術館」へ!
このヤシの木陰の階段の所が
出入り口になってます。

ランチタイムを狙って
行ったのが大成功。
ほとんど人がおらずゆっくり
じっくり作品を好きなだけ
何度も見ることができました。
(内観、作品は撮影不可。残念)

今回は時間の都合上
ガウディもお買い物もカット。
グエル公園の無料のスペースと
カサ・バトリョを通りから眺めたのみ。

それくらい時間のすべてを
「ピカソ美術館」に注ぎたかった。
これまでピカソの作品は
マドリッドでもパリでも見ている。

でも今回、私を強烈に
惹きつけたのは
「ピカソの創作」そのものだった。
つまり
「描かれて消された線」や
「色の重ねられた順」だ。

30センチのところから
直接見なければ
それはわからない。
作品集の写真では
作品を「鑑賞」することしかできない。

たとえば、「黒と色」が塗られている。
いったい「そのどちらが先に塗られたのか」

青と黄色を混ぜれば緑になる。
「でも、その青と黄色、どちらが先に塗られているのか」

そういうことに
「興味がわく」こと自体
まず私自身が驚いていた。
ピカソの作品を見たら「そうしよう」
などとは思ってもいなかったので。

作品のエネルギーに引き込まれ
気がついたら、そういう見方で
作品を見ていた。

たとえば、白い部分がある。
「その白が、キャンバスの下地の白なのか、塗った白なのか」
そういったことが
強烈に私を惹きつけた。

「最初の線描きの色が、何色であるか」
これも、色を幾重にも重ねられているので
直に近い所からしばらく
じーっと見ていないとわからない。

私はそれらを「勉強として」
知りたかったのではない。
作品の強烈なエネルギーが
私の心を奪い
「どうなっているのか知りたい」
という、原始的で動物的な
衝動をもたらしたのだ。

一通り、作品を見た後
二回目を見た。
そして、三回目。

その時、私の中に忽然と
「創作している順番」が
見えてきた。
それは驚きであり、新鮮な喜びだった。
今まで一度も感じたことのない
敬愛するピカソと
「時間を共有する」感覚だった。

そして、気づいた。
私は「完成した作品」を
見に来たのではない。
「創作」そのもの
「プロセス」を見に、ここまで来たのだ。

そして
「美術館へ行き、直接作品を見る」
意味は、創作プロセスを
「アーティストと分かち合えることなのだ」
ということが、わかった。

「眼で食べる」ように
私は、絵を見た。
そして、美術館を出て
ゴチック地区を歩いていたら
涙があふれてきた。

私の中で温めていた卵のカラが
割れて今、すさまじい衝動
「描きたい」という思いが
あふれ出てくる。

それは、マラガで
行き詰まりを感じていた私の
これからを告げる声だった。
「大きく、太い線で、重ねて描く」
「下の絵を、色を消して描く」
「黒と色を重ねる」
という、創作における
新しい自分との出会いだった。

そうして私はマラガに戻ると
すさまじい勢いで、描き始めた。
朝の7時から、夜の12時まで。
自然光もへったくれもありゃしない。

油絵のかわりに
油絵の感じが出せる素材として
私が選んだのは「クレヨン」だった。
指先を真っ黒にしてひたすら
クレヨンを重ねていく。

その創作プロセスの中に
私は今までにない
まったく新しい自分を感じていた。

それは後日、知ることになるのであって
バルセロナにいる間は
そんな新境地が開けるともつゆ知らず
私は一人、悶々としていた。

何か強大なエネルギーが
私の中で膨れ上がって
外に出ようとしている。
そんな居心地の悪さを感じながら
ルイスとマリの待つ、家に帰った。

(明日につづく)

 

 

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「バルセロナへの旅・2」への2件のフィードバック

  1. あづい。
    本日、今年二回目のテラル(熱風)がマラガに上陸しました!
    今現在、36度あります。空気がドライヤーの風みたい・・・
    南スペインをご旅行のみなさん、水分の補給を忘れずに。
    湿気がないのはいいですが、干からびますのでご注意!

  2. ただいま午後四時。38度です。
    ピアノレッスンは、修行のようになってます(笑)

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