バイオリンを弾きながらペダル踏み

先日、スーパーに行くと
「室内運動器具」が数種類、売られていた。

「これ、買いたい!」
べラが珍しく、即断。
「どうやって使うの?」
「イスに座ったままペダルに足を乗せて
自転車をこぐみたいに動かすんだよ」
確かに、自転車のペダルがついている。
これに足をのせて
ぐるぐる回転させるのであろう。

「これで外にわざわざ自転車をこぎに行かなくても
手軽に10分とか、空いてる時にできるよ!」
ベラは箱を両手に抱えて
大切そうにレジに持って行った。

「20ユーロです」
金額を聞いても、べラの決心は変わらない。
きっぱりとした表情で、お金を払う。
これは相当、入れあげている証拠。
いつもなら、なーんとなく躊躇、みたいな
空気を辺りに漂わせるのだが。

さて、家に着くと
いつもなら冷凍食品を冷蔵庫に入れるのは
ベラの仕事なのに
そんなことはやっておられない、といった表情で
さっそく「ペダルこぎ」に挑む。

イスに座って、ペダルを踏む。
まさに自転車。
ぐるぐる回って、気持ちよさそう~。
これなら足の運動にはなりそうである。

もちろん、これは「ベラのもの」なので
家中、あっちこっち持って行っては
至福の表情で
ぐるぐるペダルを踏んでいる。

テレビを見ながら
音楽を聴きながら
電話をしながら・・・
もう、なんだってあり、である。

さて、私はここ数日
「結婚式に演奏する曲」の採譜に追われ
やっとバイオリンのパートができたので
ベラの部屋に持って行くと・・・

なんと。
「バイオリンを弾きながら
ペダルを踏んでいる」ではないか。

不思議な絵だ。
なんというか、やたら体は動いているのだが
まったく上半身と下半身の動きが
別世界のもの、なのだ。

芸術と、運動。
同じ体に、上半身はチャイコフスキー、
下半身は競輪選手って、ねぇ。
合わないでしょう。

「サーカスにでも入るの?」
と、口をついて出そうになったが
ベラがあんまり幸せそうなので
ほかっておくことにした。

だいたい、ペダルを踏みながら
バイオリンが弾けるってのもすばらしい。
新しい世界が開けるかも。

あんまり褒めて
ニッポン帰国ライブの「かくし芸」で
披露されても困るので
「がんばってね」
と言って、ドアを閉めた。

とても不思議な絵なので
近いうちに、ぜひ写真入りで紹介したい。

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「バイオリンを弾きながらペダル踏み」への2件のフィードバック

  1. 天才的二重構造、ぜひYouTubeでお願いします。

    ところで、『ほかっておく』方言ですよ。
    ニヤリ。( ̄▽ ̄)

  2. 「ほかっておく」は、標準語ではない・・・(呆然)
    とすると、何と言うんですかね。
    「ほおっておく」ですか。

    愛知県の三河地方では、こんなふうに使います。
    「ほかっときん!」
    「ほかっといちゃだめじゃん」
    「ほかっといていいだらぁ?」

    が「ほかっとく三大活用」ですかね。
    ちなみにsatomiさんの地方では、何と言うのですか。

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