マドリッドに10万人ポデモス党支持デモ(2)

昨日のつづき。
スペインの失業率は、25%強をここ数年キープしている。
私たちのいるマラガ、南スペイン・アンダルシア地方においては
若者の失業率は、50%にものぼる。

昨日、テレビで街頭インタビューをやっていた。
20~40歳の市民に向かって
「現在、定職があるか?」
を、尋ねるのだが、これが見事に半数は、無職。
「あなたの周りで最近、定職につけた人はいるか?」
の問いに対して、半分以上は
「いない」と、答えた。

「いる」と、答えた人は
「6か月の契約だけど」
と、悪夢のような表情を浮かべた。

6か月の契約。
これが、スペイン人を、苦しめる元凶だ。
雇い主は「いつでも解雇できる6か月」しか、契約しない。
しかし、雇うときには
「6か月だけど、働きぶりによっては延長契約もありえるから」
と、甘いえさをちらつかせる。

6か月ごとに、スペイン人は無職になる。
そして、職安の長い列に並び
仕事探しの、悪夢のような毎日が始まる。
果てしないくりかえし。

定職があるから、定収入がある。
生活を、人生を、計画することができる。
安心して、暮らすことができる。
そんな中での「ポデモス党」」の誕生だった。

党首パブロ・イグレイアスの話し方は私に
中南米のリーダーたちの演説を思い出させる。
キューバのカストロ、ベネズエラのチャベ、ボリビアのモラレス、
エクアドルのコレア、ウルグアイのムヒカ・・・・
熱く思いを語る、人間の言葉で。
自分の保身など、少しも考えていない。
彼らは、この地球を支配するアメリカ帝国(ユダヤ資本)の
言いなりにならないと、はっきりと言葉で、態度で示す。
経済力のない国が、その姿勢を貫くのは相当の覚悟がいる。
彼らはそろって、「独裁者」のレッテルを貼られている。
アメリカ(ユダヤ資本)の情報操作によって。

私がスペイン語をわかるようになってよかったことのひとつは
こうした中南米のリーダーたちの言葉を
声を、直に聞けることだ。
訳されたものではない、生の血の通った声、言葉。

そして、その国の市民が、どんなに自分たちのリーダー
首相を慕い、誇りに思っているか。
ニッポンには、そんな詳しい情報は流されないと思う。
でも、その演説を生で聞くために
中南米の貧しい人々は
バスで地方から、演説広場までやってくる。
その輝いた表情、生き生きとした笑顔を見れば
独裁者などでないことは、明らかだ。
公正な選挙で、国民によって選ばれたリーダーなのだ。

この1月31日
マドリッドのプエルタ・デル・ソル広場に集まった
10万人以上の人々の姿は、スペイン国民の
「もう特権階級に、好き勝手させない」
という、決意を感じさせた。

なぜか、日本のマスコミでは「ポデモス党」を
「極左政党」と、記載している。
だったら、スペイン国民の4人に一人は
極左党員ってこと?(笑)

「ポデモス党」を支持しているのは、普通の人たち。
うちのマンションのお隣さん、八百屋のオジサン、
うちのピアノ教室に来る子供たちのお父さん、お母さん・・・

ギリシャで「シリサ」を支持しているのと
同じ人たちです。つまり一般層。労働層。
特権階級以外。

「極左」と言うレッテルを、政府は貼りたがる。
そうすれば、自分たちが「まん中」のポジションみたいだから。
でもそれは、目くらまし。
実際は、極左と呼ばれるポデモス党、
それを支持する一般市民が「まん中」なのだ。

今年、スペインは4年に一度の選挙がある。
ポデモス党は、出馬する。
パブロ・イグレイアスの言葉に、人々がこぶしを突き上げて応える。
「シ・セ・プエデ!(そうだ、できる)」

ポデモス党に投票すれば、不況がなくなり
すべての問題が解決するなどとは、誰も思っていない。
それでも、このまま政治家に任せておけない。
「自分たちの人生を、自分たちの手で作る!」
それが、ポデモス党を支持する人たちの
共通した思いだ。

1月31日の、パブロ・イグレイアスの言葉で
今日のブログを閉めたいと思う。

「今日ここにこうして集まったのは、抗議をするためではありません。
 これから自分たちで、この国を変えていく。その決心を新たにする。
 カンビオ(変化)を、私たち自身がしていくのです!」

 

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「マドリッドに10万人ポデモス党支持デモ(2)」への2件のフィードバック

  1. 2005年まで約13年ほど、アルメリアのエル・エヒード市というところで住んでいました。今は、日本の岡山で農業をやっています。先日、ポデモス党の事を知って、このページに辿りつきました。時々訪問させて頂きま~す。

  2. 果樹園奮闘記の百姓さん、岡山からコメントをありがとうございます。
    アルメリアに住んでいらっしゃったんですね。
    一度、行ったことがありますが、どこまでも「ビニルハウス」が続く
    広大な農業地帯を、えんえんと車で横切った記憶があります。

    大地に暮らせてうらやましいなぁ~。
    でも、いろいろと大変なこともおありなんでしょうね。
    マラガの田舎に住む友人が、いつも収穫前の野菜を
    野ウサギに食べられて「マルディート・コネホ」と言っています。

    ニッポンにもやっぱり、畑を荒らす小動物はいるんでしょうね。
    がんばってください!スペインより応援しています。

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