マドリッドに10万人ポデモス党支持デモ

この1月31日(土)に、スペインの首都マドリッドで
「ポデモス党」を支持する、大規模なデモが行われた。

プエルタ・デル・ソル広場に集まった群衆は
マドリッド市民だけでなく
スペインの各地から、このデモ行進に参加するために
バスや列車で駆けつけた地方の人たちである。

その数、10万人。
これは警察の発表した数字で、
実際は20万とも、30万とも言われている。

私たちは、テレビの画面に映し出される
プエルタ・デル・ソル広場のデモ行進の様子を
息を飲んで、見守っていた。
人々は、手にプラカードを掲げ、意気揚々と行進している。
「シィ・セ・プエデ!(そうだ、できる)」
の声が、あちこちから上がる。
その手には、共和国時代のスペインの国旗や
(現在の国旗は君主制スペインのもの)
ギリシャの国旗も、見える。

この新党、まだ一年にも満たない「ポデモス党」は
2014年に、新星のごとく現れた。
現在のスペイン政府(PP党・最右翼)のやりたい放題に
国民は怒り、これまでに何度も訴え、デモを行った。
が、その声が聞き届けられることは、ついになかった。

それどころか、PP党の容赦ない仕打ち
毎日のように報道される「汚職」「予算・援助大幅カット」
「政府の集金箱と化した無意味な手数料&罰金」に
国民の怒りは、ついに爆発した。

スペインの10家族に一つが、暖房がない。
病院の検査結果が出ても、手術まで1年~5年待ち・・・

スペイン国民の立ち向かわなければならない
容赦ない現実を、書きだせば数日かかる。

スペインの不況は、この国を大きく二つに分けた。
上と下と。金持ちと貧困層と。
貧困層って、私たち一般市民のことだけど(笑)

スペインの金持ち、つまり「特権階級」は
今でも贅沢三昧な生活を送っている。
だから、彼らに不況は存在しない。
「スペインには不況など、ありません!」
というのは、本当は
「私たち特権階級には、不況はありません」
なのだ。

スペインの特権階級。
ロイヤルファミリー、PP党の政治家、
それにべったりの金融、企業・・・
彼らにしたら、今日のパンのためにデモ行進し
拳を突き上げる国民を眺めながら
「パンがないなら、ケーキを食べればいいのに」
の心境であろう。

スペインの大部分である労働層を
再起不可能なほど叩きのめした
2013,2014年のPP党の政策。
国の窮状を救う代わりに政府がしたのは
「自分たちの汚職、ゴシップネタを何としてでも隠し通すこと」と
「自分たち特権階級の贅沢生活を何としてでも維持すること」
であった。

そんな政府に対する「怒りの抗議活動」から生まれたのが
「ポデモス党」だ。
「ポデモス(私たちはできる)党」。
党首のパブロ・イグレイアスは36歳。
マドリッドの名門コンプルテンセ大学の教師だ。

パブロ・イグレイアスは、わかりやすい言葉で
実に明快に話す。データを交え、具体的に説明する。
まるで大学の講義を聞いているような明瞭さがいい。
PP党の政治家の
「スペインはもう不況というトンネルから出ている」
「光が、トンネルの前方に見える」
「私たち(PP党)を信じてください」
という、まるで新興宗教のような文句は
いったい、何なのか。

スペイン国民は、もうだまされない。
具体的なことは何も言わず、きれいごとを口にする
嘘ばかりのPP党のスピーチ、答弁、詭弁に
うんざりしている。

そんな中、パブロ・イグレイアスの熱を帯びた話し方は
スペイン人の心に、まっすぐ届く。
細っちょろい学者風のいでだちは、最初テレビに現れたとき
「こいつは、ちとやわじゃのう」
と、多くの人を思わせた。
が、数か月も立たぬうちに
「こいつ、本気でやる気だな」
と、スペイン人の心をまたたくまに、ひとつにしたのだ。

(明日につづく)

 

 

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