3. 今日はいい天気です

新企画「べラの日本語レッスン」も3回目。
べラの日本語の学習は、好調に進んでいる。

毎週、「ニッポンの家族に電話をする」ことを決めたべラは
つたない日本語で
「とみ子さん、おげんきですか~」
「のぶゆきさん、おだいじにしてください」
などと、言うようになっていた。

びっくりしたのは、日本の両親のほうで
「こりゃ~、スペイン語を勉強せんといかんねぇ」
と、突然カタカナ読みのスペイン語で
べラと会話を始めたのだった。
それを横で聞いていると、実に不思議である。
両親といったい、どんな会話をしているのか。
以下、べラの対応。

「とよはし、さむい?」
「は~い、さむい、さむい」
「マラガ、あついです」
「きょうは、いいてんきです!は~い」
「よかった、よかった」
「・・・・・ああ~、おいしかったです、ありがとう」
「きょう、おさんぽ、いってきます」
「は~い、いってらっしゃい」

受話器を握りしめながら、必死に答えるべラ。
それも、ぺこぺこと何度も何度も「頭を下げながら」。
「まるで、ニッポン人・・・」
両親には見えぬこの姿。

いったいどこで、どうやって、
この知らざれる日本文化「電話をしながら頭を下げる」を
べラは体得したのであろう。

(「べラの日本語レッスン・4」につづく)

~音楽と絵の工房~地中海アトリエ・風羽音(ふわリん)南スペインだより