「麦茶」問題と、絶賛「黒豆茶」

最近、暑いので「麦茶」や「黒豆茶」などを朝一番で作り
冷蔵庫で冷やしては、一日中ちびちびと飲んでいる。
もちろん、定番の「マテ茶」は、どんなに暑くてもホットで。
日本人には夏の定番である「麦茶」も、お国変われば、で
スペインではまったくの無名である。

ちなみに、ベラに飲ませたら開口一番
「あ、これ、知ってる。カフェ・デ・マルタだよね!」
「なに、カフェって。これはお茶なの」
「カフェ・デ・マルタだーっ」
って、らちがあかないので、Googleに聞いて決着をつけることになった。

「ぎゃーっ」
「ねっ、カフェでしょ」
ほんとだ。カフェと書いてある。
「カフェ・デ・セバダ」と正式には言うらしいが、カフェ族にはちがいない。

「カフェねぇ・・・」
そういう気持ちで飲んでみる。ほろ苦くそう言われればコーヒーっぽくも・・・
と一瞬ゆらぎそうになるが、いやいやこれはやっぱりお茶である。
つくづく思うが、最初に教え込まれる概念、というのは恐ろしい。
たぶん、ウルグアイで生まれ
「これは、カフェ」
と言われて育ったら、この味はまさしくコーヒーなのであろう。
「これは、お茶」
と言われた瞬間
「本当にそうであろうか・・・」
などと自問いすることは、日本人にはないのである。

さて、「麦茶」問題は解決されぬまま、ベラは「カフェ」と呼び、わたしは「お茶」と
呼び続けている。
こうした「国際問題」を抱えながら、折り合いをつけて生活していくのだ。

ところで、今年わたしがはまったのが「黒豆茶」なのである。
濃厚な香りとコクが、もうたまらない。おかげでビールを飲む量が減ったほど。
それを見ていたオウムが興味深々、口ばしをグラスにつけた。
「ごくごくごく・・・」
そう、音がするくらいの勢いで、オウムは飲んだ。
「ごくごくごく・・・・」
まだ、飲み続けている。
グラスを取り上げようとすると、必死に全力で抵抗する。
「な、な、なんなんだ・・・これはいったい!」

それ以来、グラスにこの「茶色い液体」が注がれるだけで
すごい勢いで飛んでくるようになってしまった。
そう、オウムは黒豆茶が好き、だったのだ。
水を飲むときとちがい、「ごくごく」とたて続けに、スープのように飲む。

「よっぽどおいしいのであろう・・・」
と思う。が、このことを「ヤマタケ」さんに伝えるべきかどうか。
ヤマタケさんはこの「黒豆茶」の製造元で、我らが地元、愛知県の会社である。
袋を見て地元と知り、なんだかうれしくなってしまった。

黒豆茶はすばらしい商品だと思う。
そして、我が家ではなくてはならない飲み物である。
が、「オウムも絶賛!」というのが果たしてほめ言葉なのか
いまひとつ、自信がもてないのである。

~音楽と絵の工房~地中海アトリエ・風羽音(ふわリん)南スペインだより