さて、マドリッドから無事
マラガに着き、翌朝
起きたときのうれしさったら。
いつもの青い空、ヤシの木、
ハトの声、海から届く風・・・
どれもこれもが懐かしい。
いつのまに、こんなに
マラガっ子になっていた
なんて、自分でもびっくり。

左上の鳥の作品。
考古学博物館で見て
心を奪われたもの。
すると何ということか。
「もも、プレゼント～！」
と、ベラがくれた一枚の
ポストカードがこちら。
「あっ、あの鳥！」
「もも、じーっと見てたから」
「どうしてわかったの？」
「ももの好きなものくらい
わかるよ」

私を待つあいだ、ミュージアム・ショップへ寄って、買ってきたのだと言う。
これだけでも感動したのに、ハガキを裏返すと
「マドリッドの大変な旅につきあってくれて、ありがとう」
と、書かれていた。

私は何も、ベラのために買わなかったのに。
そう言おうとしたら
「パスポート更新料と旅費に比べたら、何でもないよ」
と、照れながら言った。

（マドリッドの旅・終）

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