パブロ・イグレシアスのポデモス党

スペインの政党は、長いあいだ
「PP(国民党)」と「PSOE(スペイン社会党)」の
2大政党に握られていた。

PPと、PSOEがケンカをしながら
「政権の取り合いをする」のが、常であった。

IU(左翼連合)は、頭ふたつ分くらい下がって、控えている。
名前は左翼だが、穏便派なので、
名前ほどには、目立った活動はしていなかった。
言ってみれば、保守的な左翼といったところか。

そんな中で、彗星のごとく現れたのが
「ポデモス」という新政党である。
直訳すれば「私たちはできる!」

党首であるパブロ・イグレシアスは、政治家ではない。
マドリッドの名門大学・コンプルテンセで
「政治学を教えている教師」、なのである。

公の場に現れるときも、授業と同じく「シャツにパンツ」姿で
ふらりと現れる。
やせており、肩まである髪を後ろで一つに束ね、
ひょうひょうとした雰囲気、静かなものごしや話し方は、学者に近い。

髪を後ろで束ねている政治家はいないので、
右翼のおじさんたちからいっせいに
「コレタ(束ね髪)!」
と、叩かれている。まるで、ヒッピーとでも言いたげな口調で(笑)

でも、パブロ・イグレシアスのすごいのは、
穏やかなものごしと口調で、どんな「討論番組」にも平気で出て行く。
このあいだも、右翼とファチョ(ファシズム)がうようよする番組に
一人で乗り込んで行った。
叩かれまくられることはわかっているのに。
「敵の陣地に来ちゃったみたいだなぁ」
と、苦笑いできる冷静さと懐の深さ。

スペインの討論番組は、日本の30倍くらいすごい。
ゲストがいっせいに、同時に大声でしゃべる。
誰も聴いてくれないし、話し終わるのを待ってはくれない。
だから、相当の話術とスピード、根性、オペラ歌手なみの声量が必要になる。

パブロ・イグレシアスは、じっと聞く。
その表情は、大学で生徒の話に耳を傾けているかのようにも見える。
この日も番組中、右翼ファチョの新聞社のおじさんたちに
5,6人がかりで、こてんぱにやられていた。
が、穏やかな笑顔を浮かべながら
「それについて詳しく話したいから、あなたの新聞でインタビューしてくれませんか」
と、涼しい顔。やるのぉー。

パブロ・イグレシアスによると
「マスコミでの公開討論」に顔を出すことにより
「ポデモス党を知ってもらう」計画らしい。

「若者の失業率が60%」、というアンダルシア地方では
この彗星のごとく現れた新政党に、期待の声が集まっている。
「学生や若者に支持される政党」は、今までスペインにはなかった。
それくらい、わかりやすい言葉で、パブロ・イグレシアスは話しかける。
大学の授業を聞いているような明確さがいい。

2015年末に、スペイン選挙が待ちかまえている。
PP党、PSOE党が、票を失うのはまちがいないだろう。
これからも、新政党「ポデモス」を、見守っていきたい。

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「パブロ・イグレシアスのポデモス党」への2件のフィードバック

  1. わー、ステキな朝です!PODEMOSから MOMOKIMIDORIさんへ、PODEMOSとパブロ イグレシアスのLIVE VIVID HOT&ナマ インフォ!息遣いが PCの薄い壁を楽々越えて、伝わってきてます。BRANDYみかこさんのREPORTにつづき、爽快、爽快!
    私、もももきみどりも FABOURITE!+KEEP LOVIN’ MUSIC
    FACEBOOK,BLOGで 私発情報を発信できるようにがんばっちゃいます。    ではまた、よろしくお願いします。
    PS  やるのお ににんまり、これぞ生きる理由。

  2. 荒木しう子さん、ポデモス&パブロ・イグレシアスに
    興味を持って読んでいただきありがとうございました。
    これからも、できるだけわかりやすく、一般市民の目から見た
    スペインの現状を伝えていけたら、と思っています。

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