スペインのあちこちで見かけられる職業のひとつに
「パーキングおじさん」がある。
駐車あっせん業とでも言うのか。
日本にはないこの仕事。
「通りや広場で駐車する車を誘導し、小銭を請求する」もので
スペインでは、立派なひとつの職業として成り立っている。
いかにも浮浪者風のおじさんから、蛍光服を自前で用意して
きびきび車を誘導するセミプロ風のおじさんまでいて、興味深い。
実際、路上駐車できるゾーンなので、払う義務はないのだが
みんな仕方なく、あきらめて、払っている。
「ブエナス・タルデス!」
と自信たっぷりに元気よく言われると、もうだめだ。
その前にさっさと駐車して、逃げようと思うが
おじさんたちは、自分の「なわばり」を真剣に見張っており
そこに停まる気配のある車があると
それまで姿も見えなかったのに
どこからかものすごい勢いでスピードで走ってくる。
車一台、1ユーロ。
20台で20ユーロの日給なので、投資が必要ないことを考えると
とりあえず一番、手っ取り早いお金の稼ぎ方かもしれない。
その日、私たちは「ごみ捨て」のために、路上に一時、停車した。
案の定、ものすごいスピードで、パーキングおじさんが近づいて来た。
(パーキングおじさん・2につづく)