のんびり屋同士

朝、べラの奇声で目がさめた。
窓辺でなにやら、ひとり格闘している様子。
「どうしたの?」近づいてみてびっくり!
べラの手に何やら黒いものが握られている。
「かわいそうに、ひっかかったんだね」
ほとんど動かないが、それはツバメのようだった。
うちの窓という窓には、オウムが飛んでいってしまわないように
‘網’のカーテンがぶら下がっている。
どうも、その網の目に、外側から足をひっかけてしまったようだった。
「いきなりつかんで、つつかれなかったの?」と聞くと
「ううん、網からはずそうとしたら温かくてねえ、きっと寝てたんだねえ」
「はああ~」ツバメは窓辺に放されても、逃げようとせず、
しばらくごそごそとしていた。
「のんびりやの子だねえ」と、やはりのんびりやのべラは、
うれしそうにその子が飛び立つまでいっしょに窓辺に立っていた。momo

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