オスカーワイルドを想う

今日は、オスカーワイルドのことを書こう。
彼は、ヨーロッパではとても有名な詩人、作家であり、そしてゲイである。
1854年生まれ。アイルランド出身、オックスフォード大学主席卒業。
ギリシャ語、フランス語などに堪能。
「幸福な王子」「サロメ」などの作品が有名である。

なぜ、オスカーワイルドなのかと言うと
先日、テレビでオスカーワイルドの生涯を描いた映画を見て(2回目だけど)
「46歳、没」ということを、思い出したから。
わたしは今月、47歳になった。
どんな気持ちで、失意と貧困の中、息を引き取ったのだろうと思う。

オスカーワイルドは、同性愛の罪にとがめられ、投獄されてしまう。
たとえ高名な作家であっても
当時はゲイであることに、今のような理解はなかった。
当時の恋人であったアルフレド・ダグラスの父親に裁判にかけられ
投獄生活を余儀なくされ、破産を宣告され、母親も亡くなってしまう。

そういう彼の私生活を知りながら
彼の代表作である「幸福な王子」を読むと、涙が止まらない。
美しいもの、豊かなものとは何か。
この小さな、宝石のような物語を通してオスカーワイルドは
「本当に大切なもの」を、語りかけてくれる。

いつも左胸に、緑のカーネーションを差していたオスカーワイルド。
もし彼が、今のヨーロッパにいたら
差別もなく、華々しい人生を送ったにちがいない。
そんなことを思いながら、「幸福な王子」を読む。
その瞬間、わたしたちは同じ景色の中に、身をおく。
王子の肩にかかった雪を払ってやりたい衝動、
凍えるツバメの羽を、両手で暖めてやりたい思いに震えながら。
オスカーワイルド、ありがとう。

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