ピラミッドを贈りたい!

先日、わたしの誕生日だったので
いつものように、うちで食事を作ってお祝いをした。
この年になると「健康」なだけで、幸せに思えてくる。
いやもっとはっきり言うと「痛くない」だけで、感謝の念がわいてくる。
これは35歳くらいまでは、わからないかもしれない。
このブログの平均読者年齢は55歳、と勝手に思って書いているが
べラなど、周りの友人に
「痛いところが3つまでは、ふつうと思いましょう!」
と、断言している。

さて、今年の誕生日のプレゼントは、「板」であった。
もちろん買ってきたのでなく、ごみとして捨てられていた廃材を
自転車で行って、拾ってきてくれたのである。
「ももー、プレゼント!」
「なあに?」
「板。家のリフォームにも使えるし、描くこともできるよ!」

そんなことがあって、夜テレビで「エジプト大ピラミッドの秘密」という
歴史番組が始まったときは、人生に偶然はない、と思った。
「ピラミッド内部の壁画を、コンピューターで再現してみましょう!」
司会者の声で、当時はこうであったにちがいないという
ピラミッドの内部の様子が、画面いっぱいに映し出される。
「わあぁーっ、すごい・・・」
壁という壁に、ところせましとびっしりとすきまなく描かれた大画。
わたしの中から、熱いものがこみあげてきた。

「ああーっ、そうだったのか。わたしたちが壁に描きたい!っていう衝動は
 古代からあったものなんだよね。当たり前の衝動なんだ!」
「・・・・・・・」

先日から、暖冬のせいもあって始めた、うちの「壁ぬり」。
「天井さえ、白く残しておいてくれたらどうでもいい」
というべラの言葉どおり、太陽が顔を出すたびせっせと塗り続けている。

番組が終わると、べラはため息をもらしながら、ぽつりと言った。
「ももに、ピラミッドを贈ってあげたい」
「へっ?」
「そうしたら一年中、塗ってられるよね」

そういう理由で、ピラミッドを「贈りもの」として考える人は少ないと思うが
気持ちだけ、ありがたく受け取っておくことにした。

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