大野ガーデンからの贈りもの

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先日、大野さんから
手紙が届いた。
1月に届くと、新年のご挨拶かな
と思うが,封筒を開けて
わたしは一瞬、息を飲んだ。
なんとそこには「わさび菜」と
「菜の花」の種が、「育て方」と
ともに入っていた。

横で見ていたべラがすかさず
「さすが大野さん!僕たちの
食卓がイワシばかりと知って
食料調達をしてくれたんだ・・・」
この種を「援助物資」と、完全に
勘違いしていたが
訂正するのも面倒なので
ほかっておく。

大野さんは、一日の中の
いくらかの時間を
庭で過ごす人である。

秘密の時間。
そこでは、さまざまな植物が一年を通し、順に主役となって美しい姿を見せ
やがて冬支度へと姿を変えていく、自然の劇場である。
口を開けたアケビや、背を越えたオリーブ、
3月にはツデコブシが、つぼみを割って花びらを開かせ始める。

そんな神秘の空間で、たったひとりの時間を持つ
庭人・ハルディネーロ(ガーデナー)。
大野ガーデンに流れる時間を、風を、風景を
きっと大野さんは海を越えて届けてくれたのだと思う。

べラに訳すのも大変なので
今でも種は「援助物資」ということになっている。
でもいつか、わさび菜や菜の花が収穫できたら
うちのマンションのテラスで、サラダ・パーティをやろう。
もちろん、ゲストは大野さん。

たとえマラガに来ることはできなくても
わたしたちはいっしょにテーブルにつくだろう。
わさび菜や菜の花を通して
時間や、風や、思いを共有する。

たとえ遠くにいても、時間を贈りあえる、思いをわかちあえる。
そういう音のしないものに価値を見出せるようになって
ミドルはすばらしい、と思う。
年を重ねることによって生まれる、理解する喜び。
それは、なんという贈りものだろう。
今月、わたしは46歳になる。

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