笑芽吹・生芽吹

【一日一作プロジェクト】「笑芽吹」「生芽吹」を作った。ここのところ、オウムを日本に連れて帰る可能性を探るべく

「電話とメールの日々」

が続いている。日本大使館、日本の検疫所、成田空港・・・思いついたら即メール。なんせ日本との時差が8時間あるので、場合によっては返事が翌日。メールを見ながら引越しの準備。それと並行して

「スペインからオウムを連れ出す条件や必要書類」

も確認。こちらも、スペインの農業水産省に始まり「こちらに電話してください」と教えられた番号をダイヤルするうち

「○○省」「○○部」「○○課」「○○協会」「○○係」

とたらい回しにされ、さらに電話の半分はつながらず。それでも、ひたすら電話&メールを続けるうち、とある担当の方がとんでもないことをおっしゃった。

「あなたのオウムは絶滅危惧種。第1グループに昇格」「出国は難しく」「言ってみれば、ゴリラと一緒です」

ゴリラと一緒。うそ。あかんやん。この時点で、かなり絶望的。聞けば、スペインから連れ出すのには「ワシントン条約の公式書類(許可証)」が必要。今度は、そちらの事務所へ連絡をとる。すると

「これまで各県にあった事務所は廃止、今はマドリードに一本化」「遠方の方はオンライン申請のみ」

おいっ。話を聞きに行くだけでマドリードかい。とりあえず、申請先のメールアドレスに状況の説明メール。許可証が欲しい旨を伝える。と、驚愕の返事が。

「あなたのオウムは、出生証明書も購買証明書もなく、足のリングが開いている(後付けリングでCの形。公式のブリーダーから売りに出された鳥は幼鳥期にO型の閉じた足リングをつける)ので、許可証は出せません」

ええーーーーーっ。しばし、絶句。ふらふらとイスに座り込む。が、私がやらなくてどうする。今度は、オウムや輸入に関する所へかたっぱしらから電話&メール。何回もくり返すうち、書式や写真、必要情報のリストなどが整ってきた。

「次は、公じゃない機関に聞いてみよう」

オウム協会、オウムグループ、鳥専門の動物病院、スペインの動物輸出入会社、日本の輸出入会社、スペイン全国にある鳥の保護センター、鳥の養子縁組のNGO、マラガの動物園まで。

ネット検索して、ひたすら電話&メール。引越しが迫る中、ひたすら可能性を模索。ってか、もう手当たり次第。

「あっ、ランチを食べるの忘れた」

気がつけば、もう午後4時半すぎ。こればっかり。あるものをつまみながら、ひたすら問い合わせ。頭からは湯気が〜。そんな中、日本の検疫所から返事が届く。

「現在スペインは鳥インフルエンザ発生地のため、日本への鳥の輸入(入国)は禁止されています」「日本に連れて帰ることはできません」

はっ?家族だけど。実はそれから、検疫所の担当者の方々と、1週間に渡る怒涛の質問&確認メールが始まるのだが、結果から言うと、今ヨーロッパ全体が鳥インフルエンザの発生地のため、日本に連れて帰るのは不可能とのこと。

「日本政府が国境を解放しない限り入国不可」「さらにスペイン側の許可証もいる」

あまりのショックで呆然。「4年前の鳥インフルエンザが発生する前なら、日本入国可能だったんですけどねぇ」って言われても。家族やろ〜。簡単に言うな。さらに

「たとえ日本に連れて帰れても、今度はスペインに再び連れて帰ることはできません」

なんなん。これもダメ、あれもダメ。動物だって、大切な家族やん。商業用のペット輸出入とはわけが違う。あまりの不可能攻撃に力尽きそうになるが、藁にもすがる思いで

「個人的に鳥インフルエンザの検査を受けたらどうでしょう?スペイン公式の陰性証明では?」

日本の検疫所に尋ねてみるも、日本政府はダメだと言い切る(涙)。ショックと絶望。そんな中、スペイン機関の問合せ先のひとつから、個人的にメールが届いた。

「許可証は、スペイン国内の移動や公式登録にもいずれ必要」「がんばって申請にトライした方がいい」「日本入国はできなくてもスペイン国内における可能性がぐんと広がる」

「あなたの場合、95%は無理でしょう。でも5%の可能性はある。いつでも『特例』は存在する。そのためには、あなたが申請フォーム以外に、個人的に訴えること。あなたの気持ちの全てぶつけてトライすれば、道が開けるかもしれない」

「そういうことが、かつてあった」と、女性は教えてくれた。相手は公の機関。甘くはない。でも

「あなたならきっとやれる。私に送ってきてくれたメールを、そのまま送ってみなさい」「彼らは『ノー』と言われて引き下がる人に慣れている」

「挑み続ければ、ノーをシーに変えることができるかもしれない」

私の背中を押してくれる、見も知らずの女性の言葉に、胸がいっぱいになった。そして、私は再びメールに向かう。やれるだけやろう。自分にできることは全て。それが私の人生道。

「笑芽吹(わらきめぶき)」「生芽吹(うまれめぶき)」

花、葉、芽をモチーフに。芽吹く命、遊ぶ命をイメージして。命を大切にする社会を(引き続き、今期の作品を紹介中)。

みなさま、すてきな週末を。オウム問題は、明日に続く。

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