希望咲

【一日一作プロジェクト】「希望咲(きぼうざき)」を作った。昨日の続き。ペペとハグをし、さっそく車に乗り込む。私は助手席。オウムは後部座席。

「よく来たね!まずは動物病院へ。予約は入れてあるから」「ありがとう」「ココは大丈夫?」「朝から絶食。2人とも緊張で〜」

まずは行きつけの病院へ直行。担当の女医さんが、笑顔で出迎えてくれる。ナナちゃん(メスのヨウム)の先生でもあり

「この子が、ナナちゃんのお相手ね〜」

と、みなさん好意的。検査の説明を受け、いざ診察室へ。ここまで8時間近く、ずっと鳥かごの中だったオウムは超不機嫌。にも、かかわらず先生はニコニコ。

「私もヨウム飼ってるのよ。こっちの看護婦さんも」「ええっ、ほんとに⁉︎」「そう、今この診察室にいる4人ともヨウム持ち」「ヨウムクラブかい〜」「マニアックよね」「それそれ」

しばしヨウムあるある話で大笑い。リラックスムードの中、診察が始まる。よろよろと鳥かごから出てきたオウム(ココ)を見て、先生が声を上げる。

「ケ・グアポ〜!!!(なんてかっこいいの)」

「羽がツヤツヤ。目が輝いていて筋肉質」「見て、この胸の張り。体もどっしりして脚もがっしり」「羽のグラデーションがきれい」「目つきもきりっとして精悍」「モデルみたい」

「こんな完璧なヨウム、しばらく見たことないですよ」と、ものすごい褒められよう。そしてついに、先生が力強く言い切る。

「ヨウム界のイケメン、マッチョ!これはもてるよ〜」

そうなんかい(笑)。何も知らず本人はきょとん。先生いわく「見たからに健康体」だけど、検査は義務。他の鳥との接触もないから「まず問題ないでしょう」と、安心させてくれた。一歩前進。

「詳しい結果は1週間後に。2人を引き合わせるのはいいけれど、ボディコンタクトはダメ」

とのこと。ほっとしながら、ペペの車に再び乗り込む。これからC村へ。約1時間のドライブ。おしゃべりしていると、大きな田舎の一軒家に着いた。

「ここだよ」「うわぁ〜」

広い庭と畑。葡萄棚。庭に住む鳩が、挨拶にやって来る。水場には亀が。家の中からおばあちゃんが笑顔で現れた。その向こうには大きな鳥かご。その中で飛び回る1羽のヨウム。あれは・・・

「ナナだよ。まずは鳥かご越しに、ココと会わせてみたらどうかな」

そりゃそうだ。いきなりケンカでもしたら大変。ボディコンタクトもNGだし。人間で言えば、ナナちゃんは18歳くらい。ココは35歳くらい。

寂しがり屋で、すぐに胸の羽を抜くナナちゃんは、胸周りがボサボサになっていた。でも、表情は優しく性格は素直で、幼鳥のあどけなさを残している。

「ナナちゃん、かわいい〜」

表情がとろーんとして。それに比べ、ココはいかにも精悍マッチョ。目つきや動きがまるで違う。やはりオスとメスはちがうんだ。性格もあるだろうけど。

「リビング内にココ、外にナナを置いて、窓ガラス越しに対面させてみようか?」

私たちは自分たちのことも忘れ、ナナとココのご対面の瞬間に、心を躍らせていた。

(明日に続く)

★ペペの希望で写真はNG。引き続き、今期の作品を紹介中。

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「希望咲」への1件のフィードバック

  1. 期待、たかまる〜。

    早く明日のブログが読みたい!

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