絶望から始めよう

【一日一作プロジェクト】うちわアート「絶望から始めよう」を作った。公私のパートナーであるベラが他界して、7年が経つ。今日から8年目に突入。

「マテ茶を飲みながら乾杯」

テラスで。青空に向かって。7年前、ベラが旅立った日も、こんな青空だった。窓から乾いた暖かい風が入ってきて。ラジオからピアソラの「リベルタンゴ」流れてきて。

「この曲、覚えてる?一緒に弾いたよね」

そう笑いかけたら、息をしていなかった。はっとして、同時に、ほっとした。シエスタの時間に、私に見守られて、大好きな「レベルタンゴ」を聴きながら、眠るように逝ったベラ。これは

「ベンディシオン(祝福)なんじゃないか」

と。もちろん私は悲しかったけれど、こんな穏やかな最期を与えられたことに感謝。ベラの体はまだ温かく、辺りに彼の香りが立ち込めていた。その匂いを深く吸い込んで、そっと最後のキスをした。

「あの日が、アートを人生の真ん中にすえて生きる」

と決めた日。だから、私のアートは愛と悲しみ、絶望と希望で、できている。あの日を境に、2度と私がピアノを演奏することはなかった。

「音楽屋の自分は、あの時に終わった」

と思っていたけれど、しばらくして「卒業したのだ」とわかった。2人暮らしを、ピアニストを、卒業する。失わないと、人生は次のプレゼントを持ってこないのだ。

「一つずつ届けられる人生の贈りもの」

最低、最悪の私に届けられた、アーティストという生き方。アイデンティティ。不思議だな、今はアートのない人生なんて、考えられない。

「絶望から始めよう」

うちわアート。絶望を、希望に変えるのは、私たち自身。最低最悪から最高を生み出す、人体実験のような数年間だった。ベラの命日に、感謝の気持ちを込めて。

今の私には、愛する人がいない。鍵盤の上を軽やかに滑る指も。あらゆる音を瞬時に聴き分ける耳も。失ったのでなく、去って行ったのだ。

「役割を終えて」

そして、私は手に入れた。自分が真ん中にいる人生を。遊びながら異を結ぶ「遊異結(ゆいむすび)アーティスト」のももきみどりを、これからもよろしくお願い致します。

「一日一作」も、はや2年6ヶ月。900作かぁ。ベラ、あきれながら見守っていてね。

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