日本上陸記& 樹芽

【一日一作プロジェクト】「樹芽(じゅめ)」を作った。いよいよ東京へ。豊橋駅で父とお別れ。ふいに寂しさがこみあげる。

「じゃ。行って来るね〜」「気をつけて」

いつもの笑顔で。まるでちょいと東京へ、遊びにでも行くかのような口調で。足取りも軽く。振り返ることもなく。父も私も

「ここからは、1人」

何があっても。ぱちんとスイッチが切り替わる。心がすっと引き締まる。たぶん、私たちの表情も。豊橋駅のエスカレーターを昇り切った所に、信じられない張り紙を発見。

「靴、カバン、スーツケース修理します」

うそ。こんなことが。あわててお店に飛び込み、事情を説明。お兄さんは、私のコロコロを観察しながら、ぽつり。

「これはうちにはない珍しいタイプの部品。取り寄せと修理に1週間はかかります」

いきなり撃沈。さらに、このタイプは「修理するのに9000円以上」「買った方が安いかも」と、親切に教えてくれた。実は、これから成田空港へ。

「さらにパリ、スペインへ飛ぶんです」「ええっ⁉︎このスーツケースで?」

お兄さんは驚きながらも「輪のプラスチックはもげても、土台はしっかりしてるからコロコロ自体が外れることはない」と、プロの目でしっかり背中を押してくれた。

「よし、このまま行こう」

意気揚々と店を出る。のはいいが、なんとなく「腰」が痛い。ってか、スジを違えたような違和感が。ぴぴんと動物的な勘が働き

「駅ビルの100均でクッションを買っていこう」

さっそく大小2つをゲット。まあ、不要なら途中で捨てて行けばいいし(←まさかこの時、この100均クッションが、なくてはならない旅の友になるとは。誰が想像したことか)。

さて。和食のお弁当と、デザートの大あんまきを買い、新幹線へ乗り込む。ゆったりリクライニングシートに、全身をうずめようとしたその瞬間

「ずきーーーーーん」

うそ。腰が痛くて、背中を倒せない。背もたれに体を沈めようとすると、ビビビッと恐ろしい痛みが腰に走る。さっそく100均クッション2つを、体と背もたれの間にはさみ、腰回りを固定。

「いい感じ〜。新幹線はこれでいいとして。飛行機はどうなるのか」

不安になるが「明日になったら、よくなってるんじゃ〜」と楽観的に考え、東京へ。さらに成田エクスプレス(1時間に1本)に乗り換え、成田空港へ。千葉を越えると、一気に畑や一軒家が多くなる。

「豊橋みたい。のんびりして住みやすそう〜」

ほのぼのとした気分で、成田空港へ到着。ここからホテルまでは無料送迎バスで。長旅だけど、知っているルートなので安心。その間、ずっとクッションを背中に背負ったまま

「亀かよ〜」

自分でツッコミながら(涙)。家を出てから5時間。やっとホテルへ到着。全て順調。「腰」以外は。11階の大きな窓からは緑が広がり、空港も見える。一休みしてシャワーを浴び、レストランへ。

「赤ワインで乾杯」

優雅や〜。ようやくリラックス。肉を喰らいながら、ホテルぼっちディナー。フォーク&ナイフでの食事も久しぶり。こうしてスペインに近づいていくのじゃ〜。実は

「空港ホテルには2泊」

する。余裕を持って。ストレスの多いコロナ規制下の出入国。せめて出発前日(明日)は、時間に追われることなく、ゆったり心穏やかに過ごしたい。明日のメインイベントは

「11時半に、成田空港でPCR検査。結果が出るのが3時半」「スペイン政府の健康アプリでQRコードを入手」

この2つ。されど、絶対クリアーしなくてはならない必須条件。日本出国とスペイン入国がかかっているのだ。「今夜は早めに寝よう〜」。パジャマに着替えようとして、あれ?あれれ?

「足が上がらない」「くつ下も脱げない」

ってか、腰が曲がらないので手が届かない。さらに。ベッドに横たわろうと、背中を倒した瞬間

「ビビビーーーーーーッ」

腰に走る激痛。こ、これは、悪化してる?(汗)。部屋にある全ての枕をかき集め「コ」の字型にセット。特に頭の部分は高めに。ここに

「横向きの状態で、体を沈めていく」

うまくいったぜ〜。やれやれ。しかし、このポジションから体を動かせない(寝返りが打てない)のは辛い(涙)。その夜は疲れて眠ってしまったが、翌朝起きると事態は一変。

「ぎっくり腰系のいやーな痛みが、腰回りに降臨」「ベッドから起き上がれない」

いやぁ、これから大移動が待っているけど。大丈夫なん?(明日に続く)

★作品紹介「樹芽(じゅめ)」。「芽」という文字をイメージ。樹からコルクに。コルクからアートに。アートから希望の芽に。進化するコルクアート。

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