再会獣

【一日一作プロジェクト】ペンシル描きで「再会獣(さいかいじゅう)」を作った。年末年始に日本帰国できず、メッセージ&スカイプで父と新年の挨拶。

「お雑煮を作ってお供えしたよ」

送られてきた写真を見ると、なんと。お雑煮とおかずの盛合わせが!お正月飾りの横で楽しげに笑う

「お母さん、ベラ、敦美お姉さん、ルイス、おばあちゃん」

みんな同じ場所に還って行った。役割を終えて。私たちは、この世にもあの世にも大切な人がいる。若い頃は「この世の住人」ばかりに目がいったけれど、ベラと母を亡くし

「この世とあの世がつながった」 

1つのサイクル、環(わ)に。壮大な命の旅。まるで正反対のような2つの世界は、今ここに同時に存在する。私が歩くこの道は、これからまだいくつもの山や谷を用意しているだろうけれど

「まちがいなくあの世につながっている」

その事実が、命を燃え上がらせる。オーレ!命はかけるためにある。なんたって、この世から「あの世に住みかを変えて」私たちを見守ってくれているんだから。

「この世とあの世に応援団がいる」

なんて最強やん(笑)。今年もやるぜ〜。さて。今日「紅茶」を飲もうとして、父が「紅茶にウイスキー」を数滴垂らして飲んでいたことを思い出した。私はまだ小中学生で

「こうすると香りがよくなるんだよ」

と、うれしそうに笑う父の表情や、台所の光景が突然よみがえってきた。

「そうだ。今日はウイスキーを入れてみよう」

まるで魔法をふりかけるように。紅茶とウイスキーの組み合わせは、私にとって

「幸福感」

でもある。いつも忙しい父が、くつろいで笑っている。きっと仕事がひと段落し、ささやかなひと時を楽しんでいたのにちがいない。

「ひゅーい。ふっふー」

オウムがさっそくやって来た。実は、カップの底に残った冷めた紅茶を飲むのが好き(笑)。なんとか春には、父に会えますように。

「再会獣(さいかいじゅう)」

「再会」の2文字に想いを込めて。ペンシル描きだから一発勝負。紙の向きを変えるたび、文字の中から不思議な生き物、聖獣たちが浮かび上がる。

「ひそむ場所としてのアート」

という可能性。おもしろいことがありそうな。ヒント、種、ひらめきは「風」に似ている。吹くけど、見えない。とりあえず「あぁっそうか!」って降りてくるまで、ほかっておこう(笑)。

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