春月夜のギター

【一日一作プロジェクト】「春月夜のギター」をつま弾くと、ウィルスを眠らせる子守唄になる。そんな祈りを形に。夜8時のテラスエール、今日は不思議な音で始まった。

「ボーーーッ、ボーーーッ」「パパパーッ」

テラスへ出てびっくり。通りを行く数台の車が、ゆっくり走りながらクラクションを勢いよく鳴らし続けている。わっと湧き上がるテラス。

そしてなんと。海からは、船が汽笛を鳴らしてくれているのだった。どこの誰かも知らない、姿も見えない誰かと、私たちは一瞬で心を通わせる。

「がんばろう!」「ありがとう!」

その言葉さえなく、心を一つにすることができる。今のスペインは、たった一つの思いで結ばれている。たった一つの願い。

「安心して暮らせる毎日」

という。夜8時のテラスエールでは「音楽担当」をしてくれる家族がいて(笑)毎日、日替わりでいろいろな曲を流してくれる。

今日はドゥオ・ディナミコの「レシスティレ」だった。大盛り上がり(笑)みんな両手を振り上げ、跳びはねて踊った〜。

テラスに集う8割が、名前も知らない、これまで話したことさえない人たち。なのに。同じ願いを抱いて、毎日顔を合わせていると

「夜8時にその姿をテラスに確認する」

だけで、涙が出るくらいうれしくなってしまう。まだ、誰も欠けていない。大丈夫。ただそれだけで心から幸せを感じる。

スペインのコロナウィルス感染者は約170000人に。一日で500人以上の方々が亡くなった。いつになったら増加が、横ばいになってくれるのだろう。

「春月夜のギター」をつま弾くと、その美しい調べに誘われ、疫病(ウィルス)が町を出て行く。ふと「ハーメルンの笛吹き男」を思い出した。

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