クエンカ旧市街散策

クエンカの旧市街は、暗い。まだ夜の7時なのに、世界遺産の町なのに、石畳の散策コースには猫一匹、人っ子一人いない。いったい観光客はどこに?

「怖い〜。人っ子一人いないよー。もう引き返そう」「大丈夫だって」

「暗い〜。殺人鬼が出てきそう。怖いよー」「これがクエンカの旧市街なんだって」

ハビ吉がいなかったら、絶対に歩かなかったと思う。石畳の通りや建物は趣があって、とても魅力的なのだけど、誰も住んでいない建物が多すぎる。

「冬の夜は、オカルト的雰囲気」

に包まれている。ということは、覚えておきましょう。冬シーズンの旧市街散策は、陽のある時間帯がおススメ。夜7時の時点で4度。寒っ。

にしても。マラガで夜の7時っていったら、まだ町は明るく、小学生が走り回っている時間帯。それが山峡の町クエンカの旧市街は

「しーーーーん」

と、静まり返っている。石畳に自分たちの影が映り、靴音が響く。おぉお。サスペンス小説が書けそう。とにかくエキゾチックで神秘的なのだ。

で、寒いは怖いは。で、ものすごい勢いで歩いていたら、あっという間に一万歩。地元のバルへ逃げ込み、暖をとる。まずは赤ワインで乾杯。

「クエンカ名物が食べたいんですけど」「モルテルエロは食べられました?」

さっそく挑戦。聞けば「肉をペースト状にしたもの」らしい。さすが山間の町らしく、その肉は「鹿や猪」とのこと。

「見栄え」的には、???なのだけど、食べてみるとコクがあっておいしい。パンと赤ワインとの相性バッチリ。

地元名物をつまみながら、明日のプランを話し合う。というのも、今回の「クエンカ2泊3日の旅」の個人的メインイベントは

「アルバラシン村へ行くこと」

おぉお。スペイン美しい村ベスト10によくランクインされている、この世から忘れられたような陸の孤島。アルバラシン。あぁあ、インスピレーションが〜。

もうずっと行くのが夢だった。実は一人で行こうと、調べてみたらバスは1日一本。雪になると道が閉ざされ、村へ閉じ込められる事もあるらしい。

「絶対に行きたい!お願いします」

と、ハビ吉に頼んであった。数年前から。だからケンカしないよう、ここ数ヶ月ずっとお利口さんにしていたのだ。

「どうか雨にも雪にもなりませんように」

両手を合わせて祈りながら、パラドールの贅沢快適ベッドの上で眠りについた。

(明日に続く)

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