宝物のような裏通り

マラガのセントロ・旧市街にはこうしたすてきなテラサ(テラス席)のお店がいっぱい。

古い建物に取り付けられたアーチ、街灯、鉢植えの花や植物。どこをとっても絵になる。私の大好きなマラガの旧市街。

裏通りを歩いているだけで、幸せな気持ちになってくる。眺める幸せ、たたずむ幸せ。包まれる幸せ。

だから今期は「白い村」や「マラガの旧市街」をテーマに選んだ。来年7月の展示会に向けて早くも始動中。

今年の12月の名古屋の展示会では、その中から数点をプロローグとして出展したい。50歳を迎え、自分の住む場所マラガという町を改めて深く振り返っている。

これまで当たり前に暮らしてきたマラガ。当然のように目にしてきた景色や光景、モチーフたちが突然

「たまらなく愛しいもの」

に思えてきた。50歳を迎えて。私の一部をなすものとして、急にはっきりと浮かび上がってきたのだ。

「これを失くしたら、きっと自分の一部がもぎ取られるような痛みを伴うだろう」

そうなって、私はやっと向かい始めた。私を包み、育て、成長させてくれたマラガに。あらゆる失敗を飲み込み、いつでも許してくれたマラガに。

何十回、何百回という私の涙を、吸い取ってくれたマラガの風や太陽。旧市街を歩いていると、思い出が次々とあふれてくる。

旧市街の裏通りには、宝物が隠れている。「思い出」という。何気ない通りの一つ一つにかけがえのないエピソードが潜んでいる。

思い出は点在するもの。その一つ一つを、これから形にしていきたい。絵や文章や陶芸や音楽を通して。

マラガへの感謝の気持ちを、アートで伝えたい。

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