黒の魅惑

私の作品の特徴の一つは「色」だと思う。それも鮮やかな
「太陽と地中海が作りだす色」

それは、私が毎日目にしている色。
目にしている。ということは、心にある。ということでもある。

「どうして暗い色を使わないの?」
と先日、絵の仲間にも言われたところ。

「気がついたら、その色を選んでいた」
としか言いようがない。考えて描くわけではないから。

ピアノに向かって編曲や作曲をする時もそうだが
「一つの色、一つの音が、次の色、次の音を導いていく」
のである。

私たちアーティストは、それに従って
「突き動かされる存在」
なのだ。私においては「メディウム」という言葉が、一番しっくりする。

で、前置きが長くなったが、ここのところ
「黒」
に惹かれているのである。

鮮やかな色づかいとは対照的な、黒。しかし南スペインでは「おなじみの色」でもある。

「強烈な太陽があるからこそ、影もまた深い」
白い村に行くと、よく感じる。白と黒のコントラスト。

私は習作、試作をする時
「手直にある物なんにでもペイント」
する。が、スケッチブックは使わない。

形のちがうもの、いろいろな素材に描いてみる。そこに、なんというか「個人的な発見や出会い」があり、不思議な世界に入り込んでいく。その感じがおもしろい。

もらった花瓶、グラス、コップ、お皿、箱、鏡・・・なんでもいい。描けるのなら(笑)。

スケッチブックというのは「平面」であり、ずっと描いているとあきてくる。ピアノも同じで、ずっと「クラシック」だけだと飽きてくるのと同じ(笑)叱られそうだけども。リズムとかコードとか、変えたくなってくる。

で、「黒」なのである。が、この先どうなるのか全く見当もつかず。そのままほかってある。

とりあえず
「思いついた時に思いついたことをする」
のが、私のマラガにおける生活習慣の一つなのだ。

制作作業はカセットテープで、お気に入りの音楽など聴きながら。だいたいボサノバやジャズ、サルサ(インストゥルメンタル)が多い。もちろん時々踊りながら。

しかし、このカセットテープたち。もうわずか10本程度だけど、すごいなぁと思う。もう20年以上も伸びないで再生できる。これだけ聴いているのに。さすが高品質。

いまだに
「ガチャッ」
というA面が切れる音が、私の生活音(笑)。
「B面に変える」
という作業も、今ではなくなってるんだろうなぁ。


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