マラガ映画祭そぞろ歩き

今日は「マラガ映画祭」夜編を紹介します。とは言っても、映画を観にいったのではなく、セントロをそぞろ歩き。赤い絨毯の上を歩くと、なんとなく気分が高まる~。

実はこの日、外出の予定はなく家でのんびり。するつもりでいたら、ハビ吉から怒涛のメッセージが。

「今からのももの予定は?」
「食料品を買いに行って、後は家でゆっくり。かな」

「昨日、マドリッドからマラガに着いた!」
「だよね。メッセージ見た。今日何してたの?で、いつマドリッド帰るんだっけ?」

返事なし。そう、こういう時のハビ吉は要注意なのだ。いきなり度胆を抜くような、ものすごい言葉が返ってくる。この日もそうであった。

「で、僕にはもう会いたくないの?」
「はぁあっ?」

仰天のあまり、食料品の買い出しに出かける準備を止め、アイフォーンにまじめに向かい合う。

「もちろん会いたいよ!」
「24時間以上メッセージがない。僕がマラガにいるって知ってるのに」
「忙しいかと思って」
「どんなに忙しくてもメッセージはできる。一行でいいんだから」

雲行きが怪しくなってきたので、食料品の買い出しは完全に中止である。
「ね、今夜どこで夕食するの?」
「セントロへ行くつもりだけど」
「じゃ、ワインでも一緒に飲もうよ」
「わかった」

土曜日の夜とあって、セントロはものすごい人出。レストラン、バルなどはもうどこも満員。夜の10時でまだ入れず、並んでいる人たちもちらほら。

「ハビー会いたかったよ!」
待ち合わせ場所はラリオス通り。赤い絨毯の始まるところ(写真一枚目)。

両方のほっぺたにキスの挨拶。しっかりとしたハグを交した、その直後のことであった。

「ももの行動を見る限り、僕に会いたいとはまるで思えないよ」
「はぁあっ?」
「メッセージが24時間以上ないし、だいたい今日だって、僕がメッセージしたから結果として会うことになった」

「だって、きっと予定があると思って」
「僕が連絡しないと、ももからは絶対にこない」
「それって、最悪な人間に聞こえる」
「事実だよ。会いたいならそれを行動で示して」

こんなことを大声でカウンターで言い合っているものだから、隣のおじさんが「まあまあ」的に、おすすめ料理についてコメントをしてくださる(笑)恐れ入ります。

「何食べようかな、えっとねー」
とメニューを眺めていると、ハビ吉が珍しく
「僕が注文する物を食べる。のでいいね」
とメニューを取り上げ、勝手に決めてしまった。

どうも今夜の流れは、そういうことらしい。おすすめ料理に舌鼓。赤ワインで乾杯。あぁあ、至福の時(写真三、四枚目)。

「おいしー。楽しー。誘い出してくれてありがとう」
私は素直にお礼を言った。
「今夜何するの?ってハビーが聞いてくれなかったら、今頃一人で家にいて、こんな楽しい時間は過ごせなかったよ」

私たちはケンカもするが、仲直りもすぐにする。だからこうして20年以上も友人として続いてきたのだ。

お店を出ると、活気に満ちたセントロをそぞろ歩いた。
「アイスクリーム食べよ!」
ハビ吉が私の腕をつかむ。

今年初めてのアイス。二人で半分こしながら歩き続ける。
「今度はももからメッセージして誘ってみて」
「わかりました」
「イニシアティブを取って、いいね」

眉間にしわを寄せて、言い聞かせるように説教するハビ吉の横顔を見ながら
「叱ってくれる人がいるっていいな」
と、思った。

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