マラガ的マーブルチョコメソッド

日本に帰国するたび、私は「マーブルチョコレート」を購入する。ピアノ教室の子供たちへのお土産。なのだが、「はい」と手渡すのでなく、まずはこれを「レッスン」に使う。

どう使うのかと言うと、「押さえる鍵盤の位置(たとえば、ド、ミ、ソ)」に、色の異なるマーブルチョコを一つずつ置き、
「はい、そこでピンク!」
「まずは黄色、次はきみどりに飛んで!」
などと、叫ぶ。

あっはっは。でもこれ、効率いいんですよ。「ドレミ」で言うより、数倍早くおぼえてくれる。なぜなら、位置をおぼえ弾けるようになったら
「置かれたチョコは食べていい」のだから(笑)。飴とムチ。

チョコレートとオウムの間で、ピアノレッスン。の図(写真一枚目)。今、グロリアちゃんは「ヘイ・ジュード」を練習中。あのビートルズの。ついつい一緒に歌っちゃう。もちろん、私は出だしだけ英語で、後はハミング。グロリアちゃんは最後まで英語(笑)。

お迎えに来たお母さんが、鍵盤の上に置かれたチョコを発見。
「これ、なに?」
「あー、実は・・・」
と、「マラガ的マーブルチョコメソッド」のシステムを説明する。と、眉をひそめるかと思いきや、わっはっはと大笑い。

この辺の、大らかさがマラガの魅力。誰も「衛生上」とか言わない。
「コンセルバトリオだったら、まぁ、ありえないメソッドだけど・・・」
と肩をすくめると、お母さんは力強く言い返した。
「だから、ここに来るのよ!」

さすが。マラガ。楽しければすべてよし。まさか、マーブルチョコを作った人は、こんな使われ方をスペインでされているとは、思ってもいないにちがいない。

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