油絵教室、始まる!

この一月に、マラガ市主催の「油絵教室」へ、申し込みに行った。日本なら「あ、そう」ですむこの「申し込み」が、ここマラガでは「全力投球」。体力勝負の一大イベント、なのだ。いやだけど。

とにかく安いので、応募者が多い。聞くところによると、十五の席を、八十人くらいで争う。らしい。その激戦を勝ち抜くポイントは、ただひとつ。
「早起き」。そう、早い申し込みほど、当選の確率が上がる。らしい。

だから私も、申込み初日、朝七時には市役所の窓口へ駆けつけた。七時といっても、スペインは日の出&入りが日本より二時間ほど遅いので、まだ真っ暗。真夜中。通りを歩いても、人っ子一人いない(写真二枚目を参照)。

七時に到着して、何をするのか。並ぶ。待つ。窓口の開く九時半まで。すごいでしょう。たかが申込み。されど「一か月10ユーロ」という授業料のためなら、眠気も待ちもやったろうやないか。という人で、窓口はすぐに長蛇の列。

九時半に窓口が開き、ここで「申し込み」ができると思ったあなた。日本人ですね。ここでは「申し込み用紙」をもらえるだけ(笑)。これに書きこみ、再び「提出」の列に、並ぶ。はっはっは。マラガに住んでいると「時は金なり」という格言は、どこか遠くのすごく恵まれた国のことなんだなぁ、と思える。ここまでずっと立ちっぱなし。オーレ!

さて、やっと用紙を提出し、簡単な面接をし、いったん家へ。すでにお昼。そして約十日後に、再び窓口へ駆けつける。今度は「当選者発表!」の、膨大な名前リストの中から、自分の名前を探し出すため。

合格発表のような緊張感。自分の名前を必死で探す・・・
「ああっ、あったー!これで六月まで油絵が習える」
じわじわとこみ上げる満足感。もう何かを成し遂げたような達成感。まだ、始まってもいないのに。

足取りも軽く、鼻歌まじりで家に戻ると、リビングではオウムが「食物倉庫を襲い、盗み食い」をはたらいていた。おしおきに、プラスチック容器の中に閉じ込める。というか、掃除する間、どこかに入れておかないと。わずか二、三分のことだったが、初めて見る不思議な世界に、キョトンとした表情。怖くはないらしい。

さて、油絵教室では、春まで「リンゴや壺の静物画」を描くことになっていた。何事にも順番というものがある。らしい。そこを先生に頼み込んで
「アンダルシアの白い村を、描かせてください」
と、写真を何枚か持っていった。難しすぎるという理由で、最初は軽く却下されたが、私はこのために朝七時から並んだのだ。
「油絵を始めたのは、白い村を描くためなんです!お願いします」
しぶる先生を必死で説得。なんとか了承してもらった。

下の写真が、カーボンで下描きをしているところ。これ以上複雑なのは許可してもらえなかった。私としては白い村の「家々の白い壁が並ぶ立体感」や「奥行き」を、どうしてもやってみたい。この絵ではせいぜい三段階くらいの奥行なので・・・。六月まであるので、いくつかの白い村シリーズの習作に取り組みたい。

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