5.コンピューターの鬼城へ

昨日の続き。
(7月のことを書いています)

名古屋駅でクロ隊長と待ち合わせ。
今日はこれからクロ隊長が講師を務める
「トライデントコンピュータ専門学校」へ
授業参加をさせていただくことになっている。

そう、この器械にまるで縁のない
原始的ロビンソンクルーソー的ライフスタイルの私が
「テクノロジー、コンピューターの鬼城」
のようなところへ乗り込んでしまう。
それも正門から。

考えるだけで汗が噴き出てくる。
あ、これは、湿気からか。
この日もすごい暑さ。名古屋、アッパレ!
あ、今気が付いたけど「アッパレ」って
スペイン語で言う「オーレ!」なんだな。
使うタイミングが同じだ。

さて、作品100点を体に巻き付け
現代的なグレーの建物に足を踏み入れる。
不思議な静寂と冷房に包まれた学校内ではあの
「キンコンカンコーン」
と、放課を告げるチャイムの音が
懐かしく響いていた。

エレベーターをぐぐーんと上がっていくうちに
「そうだ、自己紹介はスペイン語でしよう!」
と、ふいに思いついた。というか決めた。
クロ隊長に言って止められたら困るので
「いきなりやってしまえ!」
と、事後承諾で突破することに決めた。
スペイン語でまくし立ててている途中に
「待った」をかける人はないであろう。

ホテルにチェックインする時間がなかったので
作品すべてを持参しての授業参加になったが
結果としては、よかった。
授業でサンプル資料として使うことができたから。

その前に、「クロ隊長の授業」である。
生徒さんを前に「授業をする」クロ隊長を初めて見たが
その話しぶり、落ち着き、説明の仕方。
これまでずっと「先生」だったような
自然な空気に包まれていた。
この時、初めて気づいたが
クロ隊長はふだんの口調が、そもそも「先生」なのだ。
だから、ただいつも通り話しているだけ。

生徒のみなさんは、無駄口をきくこともなく
クロ隊長の話に、ひたすら耳を傾けている。
教室の静かなこと。これでは茶室だ。
「清聴」
この状態の中でいきなり「スペイン語で挨拶」というのは
ちょっと空気を乱すかな、とも思ったが
乱したら、またもとに戻せばいいのである。

今日の授業は「ウエッブ・デザイン」の一環で
私のブログを授業の材料として使っていただき
生徒さん一人一人に
「色をつけた状態のものをプレゼンしていただく」
という、華やかな瞬間に同席できる、らしい。
楽しみ~。

常勤講師である河口先生をお待ちする間
クロ隊長の指示で生徒さんは一人一人
「自己紹介」をすることになった。
その瞬間、声にこそ出さないが
「えっ」「どうしよう」「何を言えば」「えーっ」
という内なる悲鳴、動揺、狼狽が
静寂を破って、一瞬のうちに立ちのぼった。

私が来たために「授業」が「苦行」になってはいけないので
こちらから質問を投げかけることにした。
1.クロ隊長の授業はどうか。
2.将来なりたいものは。
3.好きなことは。

驚いたのは、みんなパソコンが大好きだってことだ。
授業でパソコン。家でも趣味でパソコン。
好きこそものの上手なれ。
見渡せば、教室はパソコンや不思議な器械だらけ。
たぶん一つ一つ立派な名前がついているのだろうが
ロビンソンクルーソー的生活の私からしたら
「コンピューターの鬼城」である。

こんなところに足を踏み入れるのは
後にも先にも、これきりであろう。
クロ隊長にお誘いを受けたおかげで
「世の中が今、どうなっているのか」
一瞬かいま見えた。気がする。

さて、自己紹介。今度は私の番。
「ブエノス・ディアス!メ・ジャモ、モモ・キミドリ」
話し始めたら、止まらなくなってしまった。

生徒さんたちの表情は、完全に固まっている。
話せば話すほど、体まで硬直。後ろに体が引いていく。
空気を乱すかと心配していたが
なーに、だいじょうぶ。
固まってるんだから。凍結状態(笑)。

せっかくスペイン語を耳にするいい機会だと思ったので
「内容」より「音」を伝えたい、と思って話をした。
こういう響きなんだよ、って。

「ブログの色とデザインを考えてくださってありがとう。
今日はみんなで楽しい時間を分かち合いましょう!」
実際はこれの十倍くらい、しゃべったかな(笑)

茶室を思わせる静寂の中
スペイン語は、突然吹き荒れた「異国の風」のようだった。
未知のもの。思いがけないもの。
人生はそういうものにあふれている。
今日はどんな「驚き」や「発見」があるんだろう。
そう思うと、急にわくわくしてきた。

(明日に続く)

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