ニッポン帰国のこと・3

CIMG5623 CIMG5635 CIMG5626 CIMG5627 CIMG5633 CIMG5628 通夜までの3時間、
私は家中のアルバムを
ひっくり返し
「思い出コーナー」を
作ることに没頭した。

家族旅行の写真、
ハーモニカクラブに
所属していた時の写真・・・
懐かしさに
胸がいっぱいになる。

母が使っていた
ハーモニカと
いつも折っていた
千羽鶴が会場を
鮮やかに彩る。

ベラが最後に描いた絵も
やっと届けることができた。
本当は本人から渡すはず
だったんだけど。
まさか、こんなことに
なるなんて。

ベラと二人で
笑って写っている
写真を飾りながら
「もう二人ともいないんだな」
と、さみしさがこみあげた。

3か月で
愛する者を二人を失った。
思えばここ3か月
ずっと泣いていた気がする。

眠れなくなっても
食べられなくなっても
おかしくないはずなのに
私は力強く立っていた。
いつもにも増して
腹の底から力が湧いて
来るのを感じていた。

その力の源は
一言でいうならば
「感謝の念」だと思う。

私が全力で生きていくこと。
自分の情熱を頼りに。
そんな無鉄砲な
突拍子もない生き方を
誰よりも応援してくれたのは
母であり、ベラであった。

それに、父だっている。
どんな時も
私のよき理解者であった父。
がんばって生きていかなくちゃ。

最後になりましたが
母のすべての希望を
かなえてくださり
二日間つきっきりで
お世話してくださった
イズモ葬祭の山本さん
ありがとうございました。
山本さんの素朴で
温かな人柄に
どれだけ元気づけられたことでしょう。

また通夜、告別式会場の
「思い出コーナー」を
こんなに美しくデコレートしてくださった
スタッフのみなさま
本当にありがとうございました。

勝手に会場に持ち込んだ
ハーモニカのCDを
絶妙なタイミングでかけていただき
母も喜んでいると思います。

「湯かん」をして
きれいにしてもらった母の
眠るような穏やかな表情が
忘れられません。

私自身の手で
母の髪を洗い
顔をふいてあげられる。
こんな贈りものが
用意されていたなんて。
思ってもいませんでした。
すばらしいですね。

あんまりうれしくて
「ママー、よかったね」
「お母さん、きれいだなぁ」
と話をしながら
身支度を整えることができました。

母の希望だった
「鶴の柄の着物」を着つけてもらい
生前から
「棺の中へ入れてほしい」
と母の手によって
用意されていた千羽鶴。

何年もかけて折った
何万という色とりどりの鶴が
母の旅のお伴をする。

お母さん、ありがとう。
ゆっくり休んでください。
ベラもきっと
迎えに来てくれていることでしょう。
今頃二人で、笑っているのかな。

私はまだ行けないので
がんばって生きていくことにします。
父と私を見守っていてね。

(明日につづく)

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