ももショップのアトリエ作り・3

CIMG1829 CIMG1833 CIMG1834昨日の続き。
(ソファの上でオウムが
羽そうじをするのも
これが最後)

小雨の降る中
ゴミ捨て場に
どかん、と捨てられていた
その「白い物体」の正体は
なんと「テーブル」であった。

「信じられない・・・」
それも私がほしかった
「白」の作業机。

近づいてよく見ると
傷ひとつなく
なんと裏には
「IKEA」
と書いてあるではないか。

「こ、こ、こんなことが・・・」
あまりの出来事に
信じられず
天を仰ぐかわりに
周りをきょろきょろと見回す。

人っ子ひとりいない。
「これは、ごみなんだよなぁ」
泥棒になってはいけないので
念のため。
引越し中で出しておいた
というわけではなさそうだ。

ま、ゴミ捨て場に
置いてあるのだから
「ゴミ」にちがいないのだろうが
あまりのタイミングに
しばし呆然。

小雨に濡れながら
3分くらい感動して
立ち尽くしていた。

「よしっ、これを運ぼう!」
と、我に返って持ち上げると
むむ、かなり重い。

が、その時の私は
「気分が高揚している酔っ払い」
同然だったので
鼻歌まじりで
テーブルを持ち上げ
家まで運び込んだ。

リビングへたどり着くと
「待ってましたー」
といわんばかりに
ぽっかりスペースが
両手を広げている。

「あぁあ~」
IKEAの白い作業テーブルを
リビングのどまん中に置くと
そこはとたんに
「アトリエ」に、変身した。

「おぉお~、アトリエの誕生だ」

私の生活の中心に
「作業テーブル」を置く。

それは同時に
私の人生のまん中に
「創作」を置いた
ということでもある。

自分が何者であるか。
その決意表明。
それを、形にしたのだ。

ベラを失い
母を失った今を
第三のスタートの時とする。
「アーティストとして独り立ちする」
というその決意が
この「IKEAの白いテーブル」を
運んできてくれたような気がする。

翌日。
その作業テーブルで
私が最初にしたのは
「ロゴを作る」
という作業だった。

クロ隊長に「ダメ出し」され
「文字に力がない」
「線が細い」
「個性がない」
とコメントをいただいていた
第一案。

「この作業テーブルで
ロゴを生み出そう!」

不思議な力に導かれ
私は机に向かった。
すると
思いがけないことが起こった。

ここ数か月
べラのガン告知を聞かされた
去年の夏から私は
「時間を忘れるほど楽しい」
「自分を忘れるほど、肉体を忘れるほど
創作に没頭する」
ということは、なかった。

痛みが、悲しみが、さみしさが
私を絶対的に支配していて
そのすきまで
息をしているようだった。

それが、どうだろう。
2時間、4時間、6時間・・・
あっというまに一日がたった。

書いたり、切ったり
貼ったり。
そのくりかえし。

それは
瞑想のようでもあった。
深い呼吸と
集中の世界。

私は、数か月ぶりに
「生き返る」
のを感じた。
自分の呼吸とリズムで
「息をしている」
のを感じた。

そして出来上がったロゴは
第一案とはまったく
ちがうものだった。

それをクロ隊長に送ると
さっそく返事が返ってきた。
そこには
これまで私に言わなかった
クロ隊長がずっと
「感じていたこと」
が書かれていた。

それを読みながら
涙が出てきた。

(明日に続く)

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「ももショップのアトリエ作り・3」への9件のフィードバック

  1. ももちゃんも「引き寄せ力」のある人よね。
    必要なモノが目の前に現れるのはひとつの能力ですわ。

    ところで私の「ダメ出し」部分で思ったことがあるので、長々と書きます(笑)。

    まず、私は人に指示を出す時は必ずストレートな言い方をします。

    「文字に力がない」ではなく「文字を力強く」
    「線が細い」ではなく「線を太く」
    「個性がない」ではなく「ももちゃんらしく」

    例えば、文字で「線が細い」ってのをぱっと見たら、「線」と「細」が残って「線を細く」って勘違いするかもしれない。
    そんな勘違いが起きないように「反対の意味」の言葉とか「ない」という否定する言葉は極力使わないように注意しています。

    子供を教える時に否定形を使うのは、実は結構危険なんですね。大人が思う以上に強く否定が伝わるので。その意味でも出来るだけ否定形は使わないように心がけてます。

    加えて「細い」と見てから頭の中で「太くする」のように変換の手順を踏むことは、思考のリソースの無駄遣いだと思うんです。
    例えコンマ数秒の思考の変換でも、積み重なれば長時間になるし疲労にも繋がる。
    それ、絶対、ムダ。
    時間は本当に費やすべきところに与えるべきで、ムダなところに与えてはいけないというのが私の考えです。

    ただし、ダメ出しのセリフは「ももちゃんがそう受け取った」ということなんですよね。
    「力強く」を「力がない」というように否定形に変換してるのは、ももちゃんの「思考のクセ」なのかもとも思いました。
    それが「今、弱っているから」なのか、「以前から」そうなのかはわからないのですが、少なくとも現時点では、ややネガティブに受け止めるクセがあるのかもしれません。

    それを確認するためにも、「日雇い音楽屋は今日も行く」シリーズを細かく読み返したいと思います(^_^)。

  2. うわぁ。すごい量だ。
    これからも「フロイト的ダメ出し」
    よろしくお願いいたします。

    確かに今、人生最大の精神的ピンチかな。
    笑って泣いて、が一日の中に、何度もある。
    ポジティブとネガティブの波の中にいる気がします。

  3. ももちゃん、おめでとう。
    絶対、神の思し召しだよ。
    第二のアーティスト人生、上手く行くよ。
    祝福を受け取ってんだもん。

    *・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*

  4. satomiさん、いつも励ましをありがとうございます。
    絵がかわいいー。キラキラしてるー。
    どうやって作るのかなぁ。

    。。・・・☆。。(・〇・)。。★・・・
    なんかちがうな。

  5. 今更ながら、、
    本当に亀レスですが、

    何度もKURO隊長のコメントを読み返しました。
    私も人に指導していますが、
    肯定語を使うこと、
    為になります。肝に銘じました。
    ありがとうございます。感謝

    〜思考の変換の手順を踏む事は、
    思考のリソースの無駄遣い〜
    シビレました。
    おとこ前な論理に、何度も読み返しました。学ばせていただきます。
    私も隊長と呼ばせていただきたく、志願致します。

  6. 隊長、
    気を付け続ける事、
    決め付けず、ブログを読み返す調査、
    論理的な中に、御自身の感性を信じている事、
    そして、その選択、決断、行動に対して言語化できる事、
    尊敬します。
    私にはでき無い事ばかり。
    足元にもおよばないとは、今、使う言葉だと痛感します。
    小さな事からコツコツと。

    真似っこオウムになって、
    肯定的な指導を続けます。

  7. Satomiさん、恐れいります。何度も読み返していただき感謝いたします。

    講義で一番大切なのは「楽しく面白く」だと思っています。講義目的に対して心がわくわくすれば、ほっておいても自主的に学びますよね。それが最終目的なのですが、どうすればそうなるのか、試行錯誤の毎日です。

    その試行錯誤の結果出来たルールのひとつが「肯定的指導」。特に書き言葉の場合は注意するようにしています。五感のうち視覚しか使えないし、ずっと残るものなので。

    楽しく会話してる時は「だめじゃーん」「ありえなーい」とか言いますけどね。そこは臨機応変ということで。いつもいつも肯定的発言なのは聞いてる人も肩がこりますから。

    Satomiさんは「感性」の人ですよね。ストレートな感情が文字から溢れていて、いつも「いいなぁ」と思っています。足元に及ばないのは私の方ですわ。

    今後ともよろしくお願いいたします。

  8. すばらしいお二人の会話に、何も言うことはありません。
    ありがとうございました。

  9. KURO隊長
    いいなぁと言っていただき恐縮です。
    私はお教室などでの指導ではないので、
    大それた指導ではないです、
    仕事の指導、お客様に対してもご相談と指導をしています。あくまでも、相手は個人か二人。姿勢と伝え方を学びたいと思いました。

    いつも肯定的だと、聞いてる方は肩がこるんですか。まだ、意識的に話して無いので分からないですが、その辺りも観察してみます。

    このところ「ストレートな、、」と感想や評価をもらいます。ももちゃんにも、職場の仲間にも。
    誤解なく伝える様に努めてるからかな?
    でも、ストレート過ぎて相手を傷付けて無いかとギクッとします。
    私が言った事が、相手にどう伝わったか確認をしていない事に気付きました。
    長くお付き合いありがとうございます。

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