ゲイとミュージシャンと乞食

さて、問題です。
「ゲイとミュージシャンと乞食」
この三つに共通することは、何でしょう。

これは、先日マドリッドの地下鉄会社のお偉いさんが
従業員に向かって、発した言葉なのである。
あきれかえった従業員が、何人もいたらしい。

「地下鉄構内にいるゲイとミュージシャンと乞食に
気をつけるように!」
その理由が「乗車料金を払わないから」だそうな。

この発言に、立ち上がったのは
当然というのか、ゲイとミュージシャンと乞食であった。
マドリッドでは、ゲイたちによるデモも行われた。

私たちも、ミュージシャンであるので
この発言には最初、耳を疑った。
いったい、会社の幹部ともあろう立場の人がする
発言であろうか。
いや、だからこそ、なのか。

それで思い出したが
いつだったか、レストランの入口に
こんな張り紙がされてたのを見たことがある。
「ルマノ、ペロ、ノー!」

すごいな。
「ルーマニア人、犬はノー!(入店禁止)」って。
同じランクか。犬と。

確かに、ルーマニアのジプシーの人たちが
空き地に勝手にほったて小屋を建てて暮らしていたり
泥棒をして生計をたてていたりするのは事実なのだが
にしても、あんまりである。
「失礼だよね」
って、犬好きの友人が憤慨しながら
「犬に対して」
「・・・・・・・・」

とにかく、ミュージシャンとして
今回は名前をあげられた以上
拳を突き上げなくては!

と、憤慨する私の横でべラが
「僕と、ゲイが同じグループって、なぁ」
と、まだぐだぐだ言っている。
しばらく考えていたが
「まぁ、『ゲイで元ミュージシャンで、今乞食』
ってのが、最悪ってことだよね」

と、不思議な結論を出して、納得していた。

 

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