ゴールはもっと先

今日は一日中「楽譜の大整理」。やっと夜10時にニュースを見たら、コロナウィルス感染者は72000人。1日で8000人増。さらに今日1日だけで

「800人以上の方々」

が亡くなった。たった1日で。信じられない。だから、だったかもしれない。今夜の「8時のテラスエール」。スペインの国旗をひるがえしながら、拍手と声援にテラスが熱く包まれた。

「戦争」でなければ「何百人という人々が毎日立て続けに亡くなる」ことは、ほとんどない。だからこれは

「ゲーラ(戦争)」

なのだと、周りの人達は口をそろえる。4月中旬まで続く「外出禁止令」も、きっと延長されるだろうと、口にはしないが多くの人が思っている。この凄まじい増加率と死亡者数を前に

「とてもあと2週間で終わり」

とは、思えないのだ。そのせいかここ数日、友人たちの様子が変わり始めた。これまで私たちは「外出禁止令が終わるその日」という

「同じゴール」

を見つめて生きていた。それが、ここ数日で「ゴールはもっと先」だと気づき始めたのだ。今のこの生活は、まだまだ続くぞと。

だから、呼吸が変わった。100m走から4キロマラソンに。そんな今日、女友達からメッセージが入った。

「ピアノを弾いている動画を送ってもらえないかしら。私の誕生日のお祝いに」

3週間後に彼女は誕生日を迎える。その時に、私たちが会うことはないだろうと、わかっているのだ。その気持ちが痛いほど伝わってきた。

「もちろん!弾いて送るね」「ありがとう!楽しみにしてる」

今の私にできることを、全力でやろう。今アートしなかったら、いつやるんだ?