2メートルの「青いマラガ」を移動したい。が、一人でやったら絶対に破れそう。午後からクリスティーナが来てくれることになり
「それまで昼寝をしよう。床で」
ソファはないので、アトリエの床の上にマットを敷いて。太陽さんさん〜。この30分のシエスタが元気のもと。
「よっし、ゆっくり動かすよ!」
私がイスの上に乗り、クリスティーナが下で作品を支える。あぁあ、2人ってなんてすばらしい。
いよいよ大移動の始まり。よっせよっせとアトリエの「反対側の壁」へと運ぶ。この日のために、誕生日の前日と当日は
「180センチの棚を取り外し、ランプ、コンセント、テーブル、イスを移動」
という大作業だったのだ。すっきりと空いた壁に、再び全力で作品を取りつける。またしても汗だく。
「おぉお〜。完了!ありがとーーー」
しばしテラスで休憩。この次の、新しい作品について話が弾む。
「5つの試みをやろうと思ってる」「5つ?同時に?」「そう」「ロカ!(クレイジー)」
再びアトリエに生まれた「真っ白なスペース」。その前に立っていると、ごうごうと情熱が湧き上がってくる。
「始めよう!」
素材を床に広げ、新しい作品に向かって52歳のスタートを切る。