熱風テラルの対処法

お隣のコルドバ県では、連日40度の猛暑が続いている。が、ここマラガにもとうとう「猛暑」がやってきた。マラガの場合「信じられない暑さ」イコール「テラル」なので、まずは「窓を閉める」ことから始めねばならない。

「テラル」というのは、スペイン内陸部およびサハラ砂漠から吹きつける「五十度近い熱風」のこと。これがマラガを覆う時、まずうちの場合「西からの強風」がすごい勢いで襲う。

この時点では、まだ熱風ではない。が、強風が収まりつつあるその時に、一気に温度が上がる。さっきまで「ふうつの強風」だったのがいきなり
「ドライヤーの風」
に、変わるのだ。それは劇的な変化である。

それに合わせて、湿度もいきなり「8~10%」にまで下がる。例えばこれを書いている今、湿度は9%。証拠にマラガの天気情報写真をアップしておきます(写真一枚目)。

この時点で
「家じゅうの窓という窓を、ぴったりと閉める」
というのが「テラル」をしのぐ最も重要なポイント。カギなのである。

が、この時点を逃し、家中をいったん「熱風」で充満させてしまうと、翌日まで室温の下げようがない。よって、クーラーがない家庭では「熱風乾燥地獄」という状態が、延々と続く。

最初は、皮膚や唇の乾きをはっきりと感じる程度だが、やがて皮膚から水分が吸い取られていき「干からびていく」感じを体験する。これはまれにみる「砂漠体験」なので、マラガ短期滞在の方には「神秘的体験」となるかもしれない。

が、私たちのようにクーラーのないマラガ市民にとっては
「テラル。イコール家にはいられない」
状態なので、避難場所を求めて出かけることになる。

一番手っ取り早いのは「ショッピングセンター」。朝の10時から夜の10時まで開いている。中はもちろん冷房完備。お店だけでなく、レストランやカフェテリア、映画館までそろっている。

というわけで、午後から「避難」の予定。窓はすべて閉め、オウムは霧吹きでびしょびしょにし、一回り小さくして乾燥対策。せっかくだから映画でも見るかな。っていう人で、いっぱいそう(笑)。

と、思ったところに、水道屋さんのおじさんから電話。
「午後から行きます」
「うそ・・・・・・」

これを断ったら、次はいつになるかわからない。だいたい一回ではどんな修理もすまないマラガ。下手するとこのまま「フェリア(夏祭り)」に突入してほったらかし。の恐れが。

「わ、わ、わかりました。お待ちしてます」
こんな気候条件の中、働くおじさんもすごいが、せっかくの出鼻をくじかれ、ちょっと今、目が虚ろになっているところ。

だって、日の落ちるのが夜の九時過ぎ。ってことは、この長ーい午後をおじさんとトイレにこもって
「水を流す取っ手部分がもげて取れてしまったが、どうしたらいいのか」
を、考えねばならないのだから。想像するだけで、意識が遠のく。

せめて気分は爽やかに、今日の写真はマラガの「ミルクコーヒー」。まず一枚目のように「ブラックコーヒー」だけで出てきます。

「ええっ、ミルク入りで頼んだのに、なぜブラック・・・」
と呆然としていると、ボーイさんが
「ミルクだけつぎに」
やってきてくれます。で、こんな感じ(二枚目)。慌てずに待ちましょう。