ケント紙事件

先日、マラガのセントロ(中心街)へ
書類の処理をしに行った帰り
久々にうろうろと
ウインドウショッピング。

さて、そろそろ帰ろうと
バス停に向かったその時であった。
文房具屋の前を通ると
「OFERTA(ディスカウント、大安売り)」

「うーむ」
私は、文房具に弱い。
本当に弱い。
困ってしまうくらい、弱い。

で、つい、ふらふらと
中へ入ってしまった。
のが、運のつき。

気がつくと私は
「大特価、100枚買えば
一枚の値段が半額になる
上質ケント紙」
を、購入していた。
というか、注文なのだが。

化粧品や流行の服やバッグ
イケメンの男にも
落とされない自信はあるが
文房具には、弱い。

「はぁあ~」
このお金のないときに。
が、ケント紙の使い道は
もう決まっていたので
それに合わせてさっそく
リビングを整える。

実は来週から
「もも画文」を始めようと
思っていたところ。
「これはケント紙でいこう!」
と決めていたので
「大特価100枚買えば半額!」
って、持ってけと
言わんばかりでしょう。

「ケント紙、届きましたー」
の電話が入り
さっそく取りに行く。

が、最近
生活環境のあまりの変化で
どうも思考力が落ち
やたらミスが多い。

で、この日も何も考えず
バスに乗り、お店へ。

「うわぁあ~っ」
カウンターに二人がかりで
どさっと置かれた
ケント紙の束。
見たからに重そう。
上質だから。
サイズだってA2。
抱えにくそうだ。
はたして両手が届くのか。

「袋は・・・ないですよねぇ」
「ありますけど、こんなの入れたら
破れますよ」
「・・・・・」

そう。
マラガの店および店員には
「お持ち帰り」のことを
考えるような
メンタリティは備わっていない。

せめて日本なら
袋に入らなければ紐をかけ
そこに「手提げ」を引っかけて
という手があるが
ここは、マラガ。
何でも自力で解決、なのだ。

「IKEAの袋を持ってくればよかった」
と後悔したが、あとのまつり。
「じゃ、抱えて帰ります」
まずはバス停まで。
100メートル。遠い。
ああ、腕がしびれてきた。

バスに乗ったら乗ったで
超満員。
なんとか座れたのはいいが
ケント紙100枚を
我が子のように
自分の膝の上に
置かねばならない。

「重い・・・」
自分でしたこととはいえ
情けなくなってくる。
最近のこの思考力のなさは
何なのだ、いったい。

で、やっと
家へたどり着いたら
腕、腰、背中・・・
どこもが筋肉痛。
こんな体中、痛くして
なんなのだ。
私は絵を描くのではなかったか。

ああ。
音楽屋も肉体労働だったが
どうやら絵も、同じ道らしい。
ずっと休んでいた筋トレ
そろそろ再開しなくては。