スペインの統一地方選挙2015

先週の日曜日、5月24日に
スペイン中で「統一地方選挙」が行われた。
8000以上の市で
州のトップや市長を選出するもので
私たちも日曜日の夜から始まった
開票速報にかぶりつき、だった。

今年は新政党「ポデモス」の登場で
大荒れの予想がされていたが、そのとおり。
今までスペインの政治は
右翼ファッチョ(本人たちはまん中の右、と言っているが)の
PP党が、ほぼ一貫して握ってきた。

その次に控えるのが社会党のPSOE党。
スペイン選挙といえば
「PP党対PSOE」の図、がすぐに思い浮かぶ。
つまり、2大政党が権力争いのケンカをしてるだけ。
一般市民は草食動物。「獲物」のまま。
食われることに変わりなし
といった状態であった。

そこに「ポデモス党」の登場である。
中心メンバーは、名門コンプルテンセ大学の
30代の大学教授たち。
さらに、弁護士、活動家、アーティストなどが加わり
そうそうたるメンバーで構成されている。
政治家としては、確かにアマチュアかもしれないが
腐った現職の政治家より
「スペインの社会システムを変えたい!」
「汚職のない政治家を!」
と望む新党に、多くの市民は期待を寄せている。

で、結果であるが
PP党、 PSOE党はこぞって票を失った。
とりわけPP党が独占してきた
「市長」の席を、多くの市で
初めて譲る形となった。

それはまさに
日本史の戦国時代の「国取り合戦」を
ライブで見ているようだった。
スペインの地図がテレビの画面に映し出され
各党の勢力が、開票結果に従って
色で塗り分けられていく。
こんなに勢力地図が書き替えられたのは
スペイン史上、初じゃないのか。

それも、彗星のごとく登場した新党ポデモスが
古株のPP党、 PSOE党に
真正面から、挑んだ結果がこれ。
まだ第一歩とはいえ
スペインを変える手ごたえを
国民は初めて感じられた
2015年の統一地方選挙であった。

しかしPP党は、強いなぁ。
なんやかんや言っても。
あれだけ汚職やスキャンダルを起こしながら
これだけの票が取れるって
この国は、裕福層、特権階級の人たちに
支配されていることを改めて実感。

あまりに毎週
汚職にまつわるスキャンダルが報道されるので
「よし、これについて書こう」
と思っているうちに
「はぁっ、なに。今度は3億?送検もされないって?」
などという連続技で、
すっかり国民は、煙に巻かれてしまっている。

だいたい昨年から
「ブラックカード事件」
「バルセナス事件」
「ファルチアーニのリスト事件」
など、書きたいことは山のようにあるのだが
私の方が、事件の起こるスピードに
ついて行けないのだ。

それくらい
私たち一般市民の生活リズムより
はるかにすごい量と質とスピードで
汚職&スキャンダルが起こる。
立て続けに。
息をつくまもないくらい。

なんとか、ならないものか。