夢芽昇

【一日一作プロジェクト】キャンバス地にペイントして「夢芽昇」を作った。マラガのセントロに「Cortijo de Pepe」という、カウンターで一杯やる式の老舗バルがある。

「知ってる⁉︎つぶれたって」

友人からのメッセージに、しばらくショックで反応できなかった。それも、立て続けに4人から同じニュースが。それくらいマラガっ子にとっては

「行きつけの場所」

私にとっては青春そのもの。日本から来た友人を連れて行ったり、誕生日ランチをしたり。時間つぶしに1人、ふらりと飲みに立ち寄ったり。

「カウンターが、どーんと!」

店の奥まで続いている。「古き良きマラガ」的な雰囲気が人気の秘密。使い込まれた木製のカウンターで、お店のお兄さん達とおしゃべりしながらタパスをつまんで・・・

「その名物のカウンターが使用禁止に」

なったのだ。コロナ規制で。ある日突然。カウンターしかない店、カウンターが売り物の店は、途方にくれた。

「セキュリティ」

と言ってしまえば、それまで。でも、コロナ規制による営業不振は、49年間続いた老舗バルの、息の根を止めた。

「いつものカウンター」

は、もうない。時代に、現状に適応できなかったと言えばそれまで。でも。あのカウンターには、私たちマラガっ子の大切な

「思い出がつまっている」 

20代でこの町にたどり着き、その頃から通い続けた。10〜15ユーロでお腹いっぱいにしてくれる庶民的なバル。私たちの心とお腹を、いつも幸せでいっぱいにしてくれてありがとう!

「マラガ・セントロのシンボル」

その一つが、消えた。ニュースを送ってくれた友人たちも、きっと同じ思いだったはず。コロナ規制で沢山の店が、今も閉店に追い込まれている。一つ一つの店に

「夢が、希望が、思い出が、歴史があったろうに」

だから、描き続けよう。筆を剣にして。前に進むエネルギーは、連動する。たとえ遠く離れていても。真の波動はつながる。

「夢芽昇(ゆめのぼり)」

大地に落ちた「夢」が「芽」を出し、再び天に向かって「昇」り始める。これは「再生の物語」だ。どんなに叩き付けられても、形を変えて生き直す。

2020年に描き始め、少しずつ筆を入れ直し、新しく生まれ変わった。今の私の心の叫び、祈りを形に。

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