裁判の有料化(2)

先日、書いたスペインの仰天ニュース「裁判の有料化」の、今日はその続編です。
実施当初から「政府の金集め」と悪評高かったこのシステム。
そうとしか思えない問題が続出!
さっそく、具体例を出しましょう。

自営業を営むAさんは、5つの納品先からまだ「支払い」をしてもらっていません。
8ヶ月を過ぎ、このままでは自分の会社の生存も危うい。
「払ってください!」
と、公の機関を通して要求するのに、今までは実質上、書類上の手続きだけでした。
それが今回から、「まず、支払いを要求する」のにAさんは
手続き料として「1500ユーロ」払わなければならない、というのです。
Aさんはカメラに向かって、叫んでいました。
「払ってもらわなければならないのはこっちなのに、
なぜ、私が払わなければならないんだ!」

次のケースはもっと、悲惨です。
2008年、マドリッドのバラハス空港で起きた、飛行機事故をおぼえておられるでしょうか。
スペインの航空会社「スパンエアー」の「離陸失敗事故」。
これにより、154人の方が亡くなりました。
あれから始まった長い裁判。
決着がつかないまま、今回の「システム」導入となりました。

いったいどうなったか。
家族を失った「遺族」たちは、裁判を続けるため「支払いを要求」されました。
つまり、「被害者が金を払って」、やっと裁判は続行されると言うのです。
怒りに震える遺族たちに姿が、強烈に心に残りました。

このシステムにより「泣き寝入り」のケースが増大。
デモを行う自営業のお父さん、タクシーの運転手、学校の先生、
医師や看護婦、学生たち、年金生活者たち。
みんな、叫んでいます。
「正義は、金持ちだけのためにあるのか!」

1日も早く、このシステムが廃止されることを、強く願います。

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