脱皮レポート・4

昨日の続き。「脱皮症状」は熱病のように続く。処分する物たちを一つ一つ写真に撮っていられないので割愛するが

「工具、部品、キャンプ用品、テントセット二つ(ほぼ新品)、衣類、布地、キッチン用品、CD、化粧品・・・」

あげてもあげても、まだある。まだ出る。不思議だ。いったいどこから。

レッスンの合い間に
「一時間でこのコーナー!」
と、決めてとりかかる。その間、オウムはもちろん台所に入れっぱなし。

なにしろ整理会場に招待しようものならまたたくまに
「遊園地」
と化すのだ。のぼったり下りたり。噛みついたりちぎったり。

ゴミが増えるので、台所で遊んでいてもらう。
はず。であった。が・・・見てください。

「さーて、これから夕食でも作ろう」
と、ドアを開けた瞬間の光景がこれ(写真)。最後のレッスンを終えた夜の八時すぎ。

一瞬、何が起こったのかわからなかった。
「地震かドロボウでも?」

その時、容疑者がちょろりと顔を出す(写真右手前)。
「うそ・・・これ全部やったの?」

「ぷぷー、ぐっ、ききー」
訴えるような口調で、一人ほかっておかれたことを訴える。
「だからって。こんな。台所を半壊しなくても」

あまりの光景に、しばらく叱るのも忘れて立っていた。そして
「あぁ、写真を撮っておかねば」
と、とりあえず思った。片付ける前に。

なんというか「不思議な感動」が押し寄せて来たのだ。いけないことでは、ある。が、きっと楽しくて、時間も忘れて打ち込んでいたんだよね。

「ここまで夢中になれるってすごい」
「あの小さな体の中に、なんてエネルギー、集中力、継続力がつまっているんだろう」

問題は、その方向性。使い方がまったくなっていない、ってところだけど。なんとか軌道修正できないものか。

写真撮影の後は、しっかり叱り鳥かごの中へ。そして、後片付け。はぁあー。お腹空いてるのに。

そこで、はたと思った。最近の「キッチン大整理&大処分」を、はたでじっと見ていたオウム。

「もしかして、その続き?」
毎日山のように出る「処分品」の山。だからって、処分品を作り出してくれなくてもよかったのに。

ここまで思い切って、物や思い出とアディオスしたのだ。
「そろそろ50歳を祝ってもよかろう」
と思えてくる。誕生日はとっくに過ぎたが、大切なのは世間の暦ではなく心の区切り。

これだけ処分しても、見た目はあまり変わらない。が、明らかに身も心も軽くなった。

50歳。第三の人生のスタート。泥棒に感謝こそできないが、新しい自分でスタートを切ろう。
(脱皮レポート・完)

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「脱皮レポート・4」への2件のフィードバック

  1. 知能の高さを感じさせるオウムさんです。。。
    そして、本当に大変な中、前へ前へ進んで行くももさんに脱帽です。
    文章からは、本当にいつもエネルギーみなぎるももさん(オウムさん)ですが、本当に本当に大変だったと思います。。。
    私だったら、泣いて落ち込んで。。。すぐに動けないと思います。

    私は5カ国移動 ついに200箱 もう邪神の塊で捨てられないものだらけ
    引越しのたび頭痛です。本当にうちも大処分必須なのですが。。。 使わないものの山を倉庫に見るたび、罪悪感で胸が痛みます。処分能力のない自分に。。。泣

  2. 海外の引越しは本当に大変ですよね。お疲れ様です。
    200箱というのはすごい!
    それぞれに思い出がいっぱいつまっていることでしょうね。

    私もいつか日本に帰ることになったら
    「いったいこの荷物はどうするのだろう」
    と、周りを見回すことがあります。

    日本国内とちがい、海外引越しの問題の一つは「重さ」。
    美術本、陶器などいったいどうするのか。
    想像すると恐ろしいので、考えないようにしています。

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