昨日の続き。当初、このマドリッド滞在は「三泊四日」の予定であった。それがなんということか、いきなり「五泊六日」に。というのも、ハビ吉がアイフォーンをいじくり回しながら
「もも!朗報。いいチケットがあるよ~」
と、騒ぎ出したことに始まる。
聞けば、私のピアノレッスンが始まる午後四時。の前に、マラガに到着する特急AVEがあるらしい。どうやってその売買をするのかはよく知らないが
「今持っているチケットを売り、二日後の特急指定チケットを買い直す」
ことが、できるのらしい。
「そうすれば、二日長くマドリッドにいられるよ!」
「・・・・・・」
確かに、ハビ吉の家にさえいれば基本的に全てただ。居候状態。なので文句はない。が、私はバカンス旅行の後にいきなり仕事。というのがは好きではないのだ。急にスイッチが切りかわらないというか。もちろん逆はいいのだが。
「うーん、わかった。じゃ、お願いします」
「OK!」
そんなこんなで、マドリッド滞在が五日に延長。ならば、と
「Museo Arqueológico(考古学美術館)」
へ行くことにした。
ここは三年前、ベラと行った場所。思い出がいっぱい。そういう意味では
「もう行ってもいいかな。大丈夫かな」
という、個人的なハードルを確認する機会でもあった。
館内に足を踏み入れたとたん、べラと交わした会話や、大騒ぎしながら二人で撮りあった写真のことが思い返される。でも、大丈夫だった。私は一つ何かを越えたのだ。懐かしさで胸がいっぱいになる。でもそこに、胸を刺されるあの痛みは、もうない。
「Museo Arqueológico(考古学美術館)」ここはとにかく展示品の数も質もすばらしい。これで入場料がたったの3ユーロだなんて。信じられない。三年前、べラとここを訪れた時も、あんまり感動して二日続けて通ったのだった。
「ええっ、また行くの!」
と、さすがのベラもあきれて口をあんぐりさせていたが、今はもう、そうやってあきれてくれる人もいないのだ。さみしいことだが、今手にしている物を大切にしよう。
「思う存分、見られる!」
という。
このミュージアムは、写真も撮り放題。展示物が本当にまじかで見られるので、古人のエネルギーを直に感じることができる。これからもまた何回でも来たい場所。
不思議なことに、ここでも
「同じものに、同じように感動する」
という体験をした。プラド美術館のボスの「快楽の園」と同じく。
三年前、私を強烈に惹きつけ、心をわしづかみにしたものたち。それはやはり、私を不思議な波動で惹きつけた。そこだけ輝いているかのように、神秘の波動を放って。
私が何より気に入った「鳥型の装飾品」。その展示ケースの前から動けなくなったのを見ていたベラが、こっそりミュージアムショップで買ってくれた「ポストカード」。
それを、私は再び買った(写真一枚目)。横顔を見せる鳥。美しい色を全身にまとった。ここに、私は自分の大切なテーマ、スタイル、エネルギーといったものを感じる。
ハガキを見つめながら、あの時べラがくれたのは
「ポストカードではなく、思いやり、愛」
だったのだと一人思いながら、ミュージアムを後にした。
ずっと行きたいなーと思いつついけなかったところです。どうもクリスマス前にちょっとだけマドリードにいけそうなので、時間ができたらいってみたいな。。。と今思いました!
ぜひぜひ行ってみて下さい。安くて見どころいっぱいでおすすめです。きっとSさんが行く頃、マドリッドの街はクリスマスイルミネーションできれいだろうなぁ。楽しんで下さいね!